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[大学選手権]後半3発で逆転!順天堂大が元日本代表DF堀池巧監督体制でのインカレ初白星!

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[12.8 全日本大学選手権1回戦 順天堂大 3-1 大阪学院大 ゼットエー]

 アパマンショップPresents第64回全日本大学サッカー選手権大会1回戦が8日に行われ、ゼットエーオリプリスタジアムの第1試合では順天堂大(プレーオフ枠)と大阪学院大(関西4)が対戦。順大が3-1で逆転勝ちした。順大は12月10日の2回戦で福岡大(九州1)と対戦する。

 今年から元日本代表DF堀池巧監督が指揮を執る順大は、関東1部リーグ6位で金沢星稜大(北信越)とのプレーオフを制して出場権獲得。堀池体制下としては初となるインカレは横浜FM内定の全日本大学選抜CB新井一耀(4年=清水商高)をケガで欠く陣容での初戦となった。「(みんな試合前の)校歌の声が小さいですよ」と苦笑した一方、自身はしっかり歌って初戦を迎えた堀池監督は、順大3年時に自身がPKを外して敗れ、逆に4年時には決勝戦でゴールを決めて優勝している「思い入れある」大会の初戦を白星で終えた。

 対する大院大は関西1部リーグで4位。8年ぶりの出場となったインカレ初戦では序盤から相手ボールホルダーへのアプローチが鋭く、また球際でのチェック厳しい守りで順大にリズムのいいパス回しを許さない。順大は立ち上がりに右CKからMF杉田真彦(2年=静岡西高)が決定的なヘッドを放ったが、その後は川崎F内定の全日本大学選抜MF長谷川竜也(4年=静岡学園高)も「攻撃で消極的になっていた」と振り返ったように前線からハードワークしてくる相手にペースを握られてしまう。

 順大は新里涼(2年=横浜FMユース)と室伏航(2年=市立船橋高)のダブルボランチがDFを外してフリーの味方にボールをつけたほか、左サイドのMF米田隼也(2年=静岡学園高)とSB原田鉄平(2年=静岡学園高)を多用しながら攻撃したが、ミスが増えて逆に相手のショートカウンターを浴びかけるシーンがあった。
 
 MF山千代大斗(4年=G大阪ユース)やMF河合秀人(4年=京都橘高)を軸に攻める大院大と一進一退の展開となる中、順大は36分に右サイドからのパスを受けた長谷川の左足シュートがゴールを捉える。だが、これは大院大GK田中大貴(2年=香川西高)が必死に手に当ててかき出す。この直後に大院大がファーストシュートで先制した。大院大は相手CKからのカウンターでGK田中が右サイドのスペースへ抜け出すFW當瀬泰祐(4年=日章学園高)に正確なフィードをつけると、ライン際で残した當瀬がタイミングよくグラウンダーのラストパス。これを自陣PAから最前線まで走り切ったFW瀧谷亮(4年=相洋高)が右足で決めて大院大がリードを奪った。
 
 順大は後半開始から1年生ストライカー、 名古新太郎(1年=静岡学園高)を投入して長谷川のポジションをトップ下からボランチへ変更。前半は相手のアグレッシブなディフェンスに苦しんだが、長谷川が「負ける気がしなかったというか、あれを90分続けてられるチームはなかなかないし、後半流れが変わると思っていたので焦りもなかった」と振り返ったようにリズムを乱すことなく攻め続ける。キープ力で違いを生み出す長谷川と室伏を中心に縦へのパスを含めてボールがよく動くようになった順大は14分、左サイドを縦に突いた米田からのパスをPAで受けたFW佐野翼(3年=清水商高)が相手のチェックを強靭な足腰で持ちこたえて右足シュート。これをゴールへねじ込んで同点に追いついた。

 順大はさらに28分、右サイドを駆け上がったSB吉永哲也(4年=千葉U-18)のクロスを中央の佐野が右足で合わせると、右前方にいた名古が体勢を崩しながらも反応良く右足ダイレクトボレー。これがゴールネットを揺らして勝ち越した。大院大も當瀬の突破やCB福田浩規(3年=G大阪ユース)の右足FKなどで反撃するが、シュートシーンを増やすことができない。逆に順大は41分、横の揺さぶりから最後は米田の落としを受けた長谷川が右足シュートをゴール右隅へ決めて3-1で勝利した。

 堀池監督就任から1年。アグレッシブに前から行くスタイルだったチームに、判断して繋ぐ部分がまた加わった。この日の後半は狙い通りのサッカーを展開して逆転勝ち。チームは「目標を立てることを言っている。機会は違うけれど、チャンスは平等にある」という堀池監督の下、「先発する」「ベンチ入り」「トップチームの練習に加わる」など選手それぞれが目の前の目標へ向けて努力し、トレーニングでアピールした選手が全国のピッチに立つ権利を獲得している。この日は今年就職活動でチームから離れることが多く、出場機会をなかなか得られなかったというMF船木雄太(4年=秋田商高)が、前半27分からの緊急出場ながらも負傷退場した原田の穴を埋めて勝利に貢献。選手、チームのサポート、補助員など色々な役割がある中で「チームのためにどういう役割をすれば、チームのためになるか考えよう」という指揮官の期待にそれぞれが応えて勝利に繋げた。「日本一へ行くために努力してきた。努力すれば結果が出るんで真剣にやること」と清水東高時代、順大時代に日本一を経験して日本代表として活躍した指揮官に率いられて戦う順大。九州王者・福岡大と戦う次戦もそれぞれが役割を全うして白星を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
●第64回全日本大学選手権特集

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