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[MOM358]国士舘大MF荒木翔(2年)_発展途上の背番号9が全得点を演出

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.10 全日本大学選手権2回戦 桃山学院大2-3国士舘大 BMWス]

 背番号9が全3点を演出した。国士舘大(関東5)は桃山学院大(関西3)に3-2で競り勝つと、8強入りを果たした。点の取り合いとなった一戦。2アシストに加え、PK獲得といった活躍をみせたのはMF荒木翔(2年=日本航空高)だ。

 まずは開始5分、左サイドからのカウンター。MF仲島義貴(4年=神戸U-18)からのパスを受けた荒木は冷静に逆サイドへボールを送る。これをFW松本孝平(3年=藤沢清流高)が決め、1-0と先制に成功。敗れた桃山学院大の楚輪博監督が「9番(荒木)と16番(松本孝平)のホットラインは分かっていたけれど、開始5分でやられてしまった」と悔やんだように、警戒されるなかでも縦関係の松本とのホットラインでゴールを奪った。

 前半終了間際に1点を返されるも、1-1で迎えた後半15分に荒木はまたもアシストを記録。PA手前右の深い位置でFKを獲得すると、冷静に右足で蹴り込む。DF附木雄也(3年=八千代高)が頭で合わせ、2-1と勝ち越しに成功した。

 直後に2-2に追いつかれたが、後半29分に荒木はまたも仕事を果たす。PA内正面でボールを受けると冷静に判断。「早い段階でトラップしてシュートしようと思っていましたけど、相手が距離を詰めてきていたら、佑一(平野)が走ってくれていた。ゴロだと相手が足を出すかなと思ったので、浮かせてみたら手に当たりました」。浮き球パスがハンドを誘い、PKを獲得。これをDF福田友也(4年=正智深谷高)が決め、3-2で勝利した。

 試合後、2アシストを記録した荒木だったが「結果としては2アシストですけど、もっとチームのためにできることはあったんじゃないかと……そういう気持ちの方が強くて反省しています」と険しい表情を浮かべた。

 同大の細田三二監督も「あれはよくあるパターン。蹴るボールはかなりいい」と開始5分の先制点を称えながらも、「でも彼は自分たちが優位に立つと、サボる癖がある。90分しっかりとプレーできないと。まだ2年生だから甘さがありますが、早くそれに気がつかないとあっという間に4年生になってしまう」と語った。

 厳しい言葉を並べた指揮官だが、それも期待の裏返しといえる。荒木は「今日のように点を取る形が増やしていければ。セットプレーで取れるチームというのは強い。そういうところで自分の強みを出していければ」と誓う。初戦突破の立役者として、チームを8強に導いた発展途上のMFは「トーナメントは勢いが大事。勢いを持って、中2日ですが頑張りたい」と力を込めた。

(取材・文 片岡涼)
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