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[MOM1614]徳島市立DF奥田雄大(3年)_「当たっとった」実力派CB、立正大淞南に突破許さず

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.11 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 徳島市立高 1-1(PK5-4)立正大淞南高 コカ広島ス]

 本人は「たまたま、当たっとっただけです」と謙遜していたが、全国高校総体4強の立正大淞南高のパワフルな攻撃を1ゴールに封じ、PK戦の末に白星を掴んだのは彼の存在無くしては達成できなかったであろう。徳島市立高は河野博幸監督が「ヘディングは一番大きいですね。身体能力が高い」と認めるCB奥田雄大主将がその身体能力の高さを活かしたヘッドと裏への対応など素晴らしいパフォーマンスを発揮。左足を負傷した影響でPK戦のキッカーから外れ、試合後は歩くこともままならないような状況だったが、主将の気迫、集中力高い守備が徳島市立を支えていた。

「向こうのFWは非常にスピードがあってどんどん飛び出してくる選手だったので、足下のボールは正直仕方ないかなと。(パートナーのCB上野謙太朗とは)後ろをやらせんと前に飛び出してきたところをしっかり掴もうと話していました」。まず意識したのは飛び出しを封じること。動き出し速く、一気に突破を図ってくる相手の特長を出させないことを再優先した。

 足下へのパスを通されることもあったが、最後の局面ではクロス、ラストパスを身体に当ててクリア。前半45分には相手のスルーパスがMF上村大悟に通りかけたが、奥田がスライディングでカットしてピンチを逃れた。飛び出しをケアし続けたCBはまた味方のプレスにも助けられて、精度の甘いロングボールを得意のヘッドで次々と跳ね返した。

 徳島市立では特進クラス。国立大学への進学を目指しているという。「結構言われる」という勉強も両立してきた中で戦う高校サッカーは新潟U-18と戦う参入戦2回戦が最後だ。「頑張るしか無いです。ホンマに頑張るしか無いです。ボクは守り切って、あとは前が何とかしてくれたらチームは勝てるんで、協力してやれることをやるだけです」。3年間過ごしてきた徳島市立のユニフォームが来季、プレミアの舞台で駆け抜けてくれることを期待している。より強い市高になるため、あと1試合勝てば「僕らが土台づくりできる」。幸い負傷は軽傷の模様。あと1試合、「頑張るしか無い」という主将が徳島市立の土台をつくるために全力で戦い抜く。

(取材・文 吉田太郎)
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