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[プレミアリーグ参入戦]立正大淞南は負傷欠場のエース井上直も拡声器手に応援、一丸となって戦い抜く

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[12.11 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 徳島市立高 1-1(PK5-4)立正大淞南高 コカ広島ス]

 スタンドではプリンスリーグ中国で大怪我を負って選手権予選で出場することができなかったエースFW井上直輝が拡声器を手に応援を統率し、同じくケガで松葉杖をついたMF上西健也ら3年生たちが最前列に陣取っていた。一方で過去最高タイとなる全国4強へ進出した高校総体ではスタンドで声を張らしていた選手が、この日複数ピッチに立っていた。選手権予選で敗退し、心が折れているような状況の中でも立正大淞南の3年生選手たちは最後までトレーニングで競争し、ピッチ上の選手もスタンドの選手も全員が一丸となってプレミアリーグ参入戦を戦った。

 前半はセカンドボールが拾えずに非常に苦しい状況だった。だが、チームは後半、ボールを保持する時間を増加。出足も前半に比べて一歩、二歩速くなっているような印象も受けた。攻めながらも徳島市立の堅い守りに阻まれて、なかなか同点に追いつくことができなかった。それでも諦めずに攻め続けたことが歓喜をもたらす。後半38分、交代出場MF井上海が左サイドから入れた左足クロスをニアサイドへ飛び込んだMF白岩直斗が1タッチでゴールへ流し込んだ。

 スタンドへ向けて走りだし、ガッツポーズを繰り返す選手たち。南健司監督は会場に声を響かせていた3年生たちを讃え、また「出てた方はみんなの思いを背負ってやってくれていた」と目を細めていた。だが、追いついた後に勝ち越すことができず。オープンになった展開の中でエース井上直がいれば、また違う結果になっていたかもしれない。結局、全国総体では3勝した“得意の”PK戦で敗れ、選手たちはもう一試合戦えなかったことを悔しがった。

 南監督は勝たせてあげられなかったことを残念がった一方、選手たちのこれからに期待を寄せた。「このPK負けでまた頑張ってくれる。勝った良かった、負けて良かったになるかは今後の自分次第」。この日は悔しい結果に終わったが、サッカー人生はまだまだ終わりではない。どんな結果に対しても、前向きに努力し続けることのできる人間になってくれることを期待していた。

(取材・文 吉田太郎)
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