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[大学選手権]前半シュート1本…苦しんだ前年王者流経大、HTの監督の檄から盛り返す

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[12.10 全日本大学選手権2回戦 流通経済大3-2(延長)北陸大 夢の島]

 ディフェンディングチャンピオンが苦しみながらも初戦を突破した。「今年一番悪いくらいだった」。ベンチのMF森保圭悟(4年=広島ユース)も心配顔で見守った前半。流通経済大(関東4)は積極的に前に出る北陸大(北信越)の前に全くボールを回すことができない。前半のシュート数はMF古波津辰希(4年=流通経済大付柏高)が放った1本のみ。それも全く可能性を感じさせるものではなかった。

 ハーフタイム。中野雄二監督からは案の定、厳しい檄がイレブンに飛んだ。卒業後はV・ファーレン長崎に入団するDF田上大地(4年=流通経済大付柏高)は「全体的に動けていないことに対してでした。攻撃も守備も全然機能していなかったので。4年生は最後だけどこれでいいのかと」。

 迎えた後半、開始1分にDF宮内雄希(2年=広島ユース)のヘディングシュートで反撃の足掛かりをつかむと、後半18分にMF中村慶太(4年=流通経済大付柏高)が同点弾を決める。そして同32分にはFW星野秀平(2年=流通経済大付柏高)が逆転弾。後半アディショナルタイムに同点弾を浴びて延長戦に持ち込まれたが、延長後半10分の森保の直接FK弾で2回戦突破を決めた。

 しかし田上は、「言われて変わるのであれば、最初からやるべきだった」と反省。「きょうのレベルだから逆転できたと思う」と準々決勝以降の戦いに向け、イレブンへの奮起を促した。

 準々決勝は戦前から意識を置いていた関西学院大が相手になる。中野監督も「今年は関学がトーナメントの中心にいる。そこを叩かないとタイトルは取れない。万全の状態で臨むというのを逆算して準備してきている。次はお互いに大一番になる」と気合十分に話す。田上は「(関学大の)成山(一郎)監督が去年のインカレで負けた時の思いを持ってやっていると言っていた。今季は自分たちも3冠を目指してきたなかで逃してきた。最後のタイトルなので、そういった意味では強い意志があります」と闘志を燃やした。

(取材・文 児玉幸洋)
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