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[MOM1620]静岡学園DF尾崎駿大(2年)_東京V完封!公式戦3試合目のCBが見せた勇猛果敢な戦いぶり

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.11 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 静岡学園高 2-0 東京Vユース 広島一球]

 公式戦先発3試合目の男が、チームの防波堤として最後まで戦い抜いた。大会が始まるまでCBは静岡学園高にとっての不安要素だった。「レギュラー二人が負傷していなくて、誰を使うか正直に言って迷っていた部分がある」(川口修監督)。鹿沼直生を一列下げて起用することを決断した一方、もう1枚は迷った末に2年生のDF尾崎駿大を抜擢した。プリンスリーグ東海の終盤2試合で先発させて、この参入戦1回戦が3試合目という流れだった。

「フィジカル的な能力はあるし、足元の技術もある。来年は期待できる選手だと思ってはいた」という指揮官が、一足早く大抜擢。最初はぎこちなさもあったというが、徐々に慣れてきた段階での大一番だった。ただ、東京Vユースの高さとスピード感は完全に未知のレベル。「本当に強かった」(尾崎)という相手に対し、しかし果敢に向かっていった。

 主にマッチアップした相手は東京VのエースFW郡大夢。圧倒的なポテンシャルを誇るホンモノに対したが、「相手がプロ内定選手だということは知っていた。でも、高さでは絶対に負けるものかと思っていた」と対抗する。見事に競り負けてしまうシーンもあったが、それでもセカンドボールにはしっかり反応し、次の機会では懲りずにもう一度全力で競りに行く。やられても折れないハートの強さは、印象的だった。

 主将のFW加納澪は「本当に急成長という感じ」と尾崎の勇ましいプレーぶりについて率直に驚く。川口監督も「よく最後まで食らい付いてくれた」と称賛した上で、この試合のベストプレーヤーに尾崎を挙げた。

 もちろん、まだまだ経験不足の部分もあって、この試合を映像で振り返れば反省点が山のように出てくるには違いない。郡は結果として無得点だったが、運が味方した部分もある。ただ、「来年期待」と思われていた男が、今年最後の大会で台頭してきたことには小さからぬ意味もあるだろう。選手権予選が終わったあと、失意に沈むのではなく次の目標に向けて成長することを目指してきたチームの姿勢が、勇猛果敢な尾崎の戦いぶりに現れていた。

(取材・文 川端暁彦)
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