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ポスト遠藤として期待されるG大阪ユースMF市丸、トップでの飛躍誓う「どんな相手でも自分のプレーを」

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[12.12 高円宮杯チャンピオンシップ 鹿島ユース 1-0 G大阪ユース 埼玉]

 試合終了の笛とともにピッチに崩れ落ちたガンバ大阪ユース(大阪)の主将、MF市丸瑞希(3年)は「自分たちのサッカーができなかった」と“日本一決定戦”を振り返った。

 鹿島アントラーズユース(茨城)の熊谷浩二監督は、ボールを保持するG大阪に対して、「ガンバのポイントになる」(熊谷監督)ダブルボランチの市丸とMF岩本和希に厳しいマークをつけた。中盤で2人、3人に囲まれることもあったが、それでもG大阪の背番号7には慌てる様子が見られず、簡単に蹴り出すと思われた場面でも、しっかりとキープして味方にボールをつないだ。鹿島のハイプレッシャーによるところではない、市丸は思うような試合ができなかった理由をそう分析すると、「前に蹴るサッカーに対応できず、セカンドボールも拾えないまま攻め込まれるシーンが多かった」と続けた。

 鹿島のペースで進んだ後半13分、来季からトップ昇格が決まっているMF田中稔也(3年)のゴールで鹿島が均衡を破る。先手を取られたキャプテンは、「落ち着け」と味方を制するしぐさをピッチで何度か見せた。「失点してから冷静さが欠けていた部分があったので。自分自身に問いかける意味もありました」。それでもG大阪らしさを出すことなく、市丸もチャンスらしいチャンスを創出できないまま、試合終了の笛を聞いた。

「100点中、10〜20点くらい」。この試合の出来を、市丸自身はそう評したが、随所で好プレーを披露。相手の危険なパスコース上や突破したエリアで、鹿島の攻撃をはね返すなど、攻撃の起点となるだけでなく守備でも貢献度は高かった。「予測の部分では相手より一歩速く動ける自信がある」とストロングポイントとして自負する。それは頭を使うことに裏打ちされたプレーだった。「ボール保持者の目を見たり、(自分の)後ろの状況を想像して相手がこの辺にいるなと考えて、予測しています」。

 G大阪の背番号7、キャプテンマーク、セットプレーのキッカー、さらにダイレクトでのショートパスを多用し、試合を読む力にも長ける。その姿は、トップチームの“レジェンド”を想起させた。来季トップチームに昇格する市丸は、MF遠藤保仁とチームメイトになる。実際、遠藤のプレーを「意識している」と言うが、「意識しすぎてもよくないので、自分の良さを出すことを意識している」と次世代の司令塔は語気を強めた。

「どんな相手でも自分のプレーをして、味方の良さを引き出す。それを課題としてやっていきたい」。来季のトップチームを前に、市丸は飛躍を誓った。

(取材・文 奥山典幸)
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