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[MOM368]国士舘大DF山田真己人(4年)_親分肌の超攻撃的SBが流れ引き寄せる一撃

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.13 全日本大学選手権準々決勝 早稲田大1-4国士舘大 西が丘]

 “親分肌”のDFが流れを引き寄せるゴールを決めた。国士舘大(関東5)は早稲田大(関東1)に4-1で圧勝すると、2大会ぶりのベスト4進出を果たした。1-0で迎えた前半終了間際アディショナルタイム1分、追加点を挙げたのは右SB山田真己人(4年=神戸U-18)だった。

 MF高見啓太(4年=神戸U-18)の右クロスをゴール正面のFW松本孝平(3年=藤沢清流高)が打点の高いヘッドで落とすと、詰めていた山田が右足で押し込んだ。「松本が競り合いに勝つことはわかっていたので。信じていったら、いいボールが中に入ってきたという感じ」と振り返ったが、前線まで攻め上がってのゴールには「なんでですかね、なんかいた」と照れ笑いをみせる。

 ゴール前に詰めていた右SBの一撃が決まり、2-0で前半を折り返したチームは後半に2点を追加。1失点喫したものの4-1の快勝劇となった。1点差でハーフタイムを迎えていたら、試合の流れは大きく変わっていたかもしれない。相手に焦りを生ませる意味でも、大きな価値のある前半終了間際の1点だった。

 「攻撃は大好きです」と話す山田。主将のDF中村俊貴(4年=流通経済大柏高)が負傷の影響などで欠場するなか、ゲームキャプテンも務めている。「2人で切磋琢磨してやってきて、どちらが出てもいいように2人で話してきました」と中村との関係性を明かしたDFは「今日は中村俊貴の分もやってやろうと思っていました」と達成感ある表情を浮かべた。仲間の思いを一身に背負ってプレーすると、キャリア初となる全国大会でのゴール。「嬉しすぎて、とにかく嬉しいです」と声を弾ませた。

 殊勲のDFについて、細田三二監督は「親分肌ですから」と微笑むと、「やるぞと言って彼がリーダーになって引っ張っている。全体を鼓舞する能力があるし、関西の人間だから喋れる」と冗談交じりに評価を話した。

 山田自身は「親分肌かどうかはわからないですけど」と苦笑しつつも、「後輩からは結構慕ってもらっているかな。自分の学年だけでなく、下の学年にも気は使うようにしています」と説明。「でも今日の試合は誰が声を出すとかではなくて、全員がチームのためにやった結果」とチームで勝ち取った4強進出だと強調し、胸を張った。

 ヴィッセル神戸U-18出身の山田だが「レベルが高いところでやりたいと思って関東に出てきた」と言う。準決勝の相手は関西第2代表の阪南大。だからこそ「自分が関東に出てきた意味は関西のチームに勝つことかな」とより一層気合は入る。

 「インカレでリーグ戦の借りを絶対に返そう。日本で一番の大学になろうとはみんなで話していた」。2大会ぶりの決勝進出まで、あと1勝。熱い思いを胸に抱いた超攻撃的SBは「がんがん上がっていきますよ」と笑顔で意気込んだ。チームの魂となる心意気で、国士舘大を頂点まで引き上げる。

(取材・文 片岡涼)
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