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[大学選手権]盟友の名を頬に書き、声枯らす…決勝出停FW呉屋「こんな気持ちがあるのかと」

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[12.19 大学選手権決勝 阪南大0-4関西学院大 駒場]

 頬には盟友の名前を書き、声が枯れるまで応援を続けた。全日本大学選手権(インカレ)の決勝が19日に行われ、関西学院大は阪南大に4-0で勝利し、初の日本一に輝いた。累積警告で出場停止となったFW呉屋大翔(4年=流通経済大柏高)はスタンドで必死に声を張った。その頬には黒いペンで「井筒」という二文字。額には「四冠」と書かれていた。

 決勝戦後、呉屋は「優勝して、陸がMVPを取って、プラン通り」と笑い、4年間も切磋琢磨してきたDF井筒陸也(4年=初芝橋本高)主将の大会MVP獲得を喜んだ。

 これまで、関西学院大のエースストライカーとして、常にピッチに立ってきたが、準決勝・明治大戦で大会通算2枚目の警告を受けたため、決勝戦は出場停止で応援する立場。スタンドの部員と一緒になり、90分間声援を送った。

 優勝した瞬間は「うるっときましたけど、寒すぎて涙は出なかった」と冗談交じりに語ったが「試合に出ていないのに、応援して嬉しいなんて気持ちがこんなにあるのか」と破顔。チームで勝ち取った初のインカレ制覇。加えて、関西学生選手権、総理大臣杯、関西学生リーグに次ぐ戴冠を喜んだ。

 今春からはガンバ大阪でJリーガーとして新たな挑戦がスタートする。「数字を決めたら良くない方」と目標ゴール数は口にしなかったものの、「とにかく結果を出して試合に出続けるのが大事。1年目から勝負する気持ちを持ってやっていきたい」と笑顔で誓った。

(取材・文 片岡涼)
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