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[選手権]「東京五輪世代の逸材集結!冬の主役候補たちvol.2」京都橘FW岩崎悠人(2年)_J争奪戦!吸収、成長繰り返すストライカー

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第94回全国高校サッカー選手権

 東京五輪のFW候補として、期待されるのが京都橘高の2年生ストライカー岩崎悠人。武器は瞬時に加速し、DFを置き去りにするドリブル。ボディーバランスにも優れており、敵の激しい当たりにも屈しない。そして、何よりも目を惹くのはスポンジのような吸収力だ。

 昨年、入学直後から持ち味を発揮し、不動の座を掴むと、全国高校サッカー選手権ではベスト8進出に大きく貢献。今年は日本高校選抜入りを果たすと共に、U-17、U-18日本代表にも選ばれるなど飛躍の一年となった。今年は「3年生について行くだけだった」という昨年から一転し、自らがチームを引っ張る立場となったが、春先は年代別代表と高校選抜の活動があったため、京都橘にいた時間はごくわずか。練習に合流しても、調整のため一人別メニューを行うことも多かった。

 4月に開幕したプレミアリーグWESTでは、米澤一成監督の「意味を感じ取ってほしい」という想いを受けて、OBであるFW小屋松知哉が名古屋グランパスで背負う22番を授かった。開幕戦の大分トリニータU-18戦は海外遠征から帰ってきたばかりで、「1年生はかろうじて名字が分かる程度。名前が分からない選手も多い」と苦笑いするほどのぶっつけ本番だったが、力を発揮し好機を演出するなど上々のスタートを切った。最終的にチームは降格となったが、チームトップの6得点を記録し、リーグを盛り上げた一人だったことは間違いない。

 日を追うごとにプレーの凄みを増し、今ではU-18日本代表でも欠かせない存在となったが、傲りは見られない。他の高校生がなかなか味わうことができない経験を自らの成長に繋げている。彼にとって今年最大のトピックスが、10月に挑んだAFC U-19選手権バーレーン2016予選。「雰囲気が独特で、いつも通りにプレーできないことが分かった。いつもより凄いプレーが出来ることもあれば、緊張で焦ってしまい何もできないこともあった」と、これまで味わったことがない舞台に四苦八苦した。ただ、苦しい経験を無駄にしないのが彼らしさ。大勢の注目を浴びた今回の選手権予選準決勝と決勝で、いずれも「らしさ」を失わず、堂々とプレーできたのは世界で得た経験の賜物だろう。

 成長を続けるストライカーをチームに迎え入れようと、すでに多くのJクラブスカウトが彼に熱視線を送っている。7月にはFC東京の練習に参加。プロでの手応えを掴むと同時に、「権田(修一)選手に言われた『もうお前の蹴り方は全て分かったぞ。次に来た時は全部止めてやる』って言葉が印象的で、『プロはフォームまで、覚えるんだ』と勉強になった。僕は代表に行って、色んなシュートやキーパーを見てきているので、小川航基クンや一美和成クンのシュートを真似しながら、(GK矢田貝)壮貴と練習している」と成長へのヒントを実践している。

 2度目の選手権は、昨年とは比べ物にならない重圧を背負うのは間違いない。相手からの警戒も格段に違うはずだが、打破するだけの準備はできている。活躍と共に今大会を経験することで、どう成長するか注目したい。

(取材・文 森田将義)
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