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[皇后杯]「今日だけは絶対に譲れない」INAC澤、宣言通りの“夫婦ダービー”勝利に笑顔

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[12.23 皇后杯準決勝 仙台L0-2I神戸 等々力]

 今季限りでの現役引退を表明しているMF澤穂希を擁するINAC神戸レオネッサが、27日の皇后杯決勝戦へと駒を進めた。観衆5506人を前にフル出場した澤は、「今日は絶対に勝って決勝に臨みたいと思っていた。有終の美を飾りたい」と笑顔を見せた。

 絶対に負けられない一戦だった。準決勝の相手、ベガルタ仙台レディースは、今年8月に結婚した夫・辻上裕章氏が広報部長を務めるチーム。周囲も“夫婦対決”“夫婦ダービー”と注目した。

 澤自身も辻上氏に「今日の試合だけは絶対に譲れない」と話し、特別な気持ちを持って臨んでいたことを明かす。チーム内にもその雰囲気は伝わっていたようで、松田岳夫監督は「旦那との対決のことを珍しく口に出していた。気持ちが入っているなと感じた」と話した。

 もちろん澤の思いを感じ取るイレブンも、「澤さんに優勝をプレゼントしたい」(大野忍)と気持ちを一つに戦った。そして押され気味だった前半40分にファーストチャンスを生かしてセットプレーから得点すると、後半16分には完璧な崩しからMF中島依美が勝利を決定づける2点目を決めた。

 試合後、辻上氏に「おめでとうと言ってもらえた」と喜んだ澤。「きょうの試合はやるにあたって、負ける気がしなかった。みんなが決勝に連れて行ってくれた。自分自身の体がしんどくて、最後は息があがっていたのですが、できることをやった。とにかく失点ゼロで終わろうと思った。(引退を発表してから)3試合できるというのは最高にうれしい」と笑顔を弾けさせた。

 有終の美へ向けシナリオは着々と進んでいるが、やはり期待するのは、ゴールを奪っての完全優勝。澤自身は結婚後もゴールがないことから、「最後の最後に取っておいたかというくらい、溜めている」と自虐気味に笑う。「ゴールを決めて、勝って終われれば一番いい。今から何をやってということもない。しっかり栄養をとって、ケアをしていい状態にもっていきたい。残り1試合と思えば、最高の力が出せると思う。頑張ります」と、“ラストダンス”へ向け、力を込めた。

(取材・文 児玉幸洋)

●第37回皇后杯特設ページ

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