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ニュースパイクに込めた思い…U-22代表MF遠藤航「リオの切符を持ち帰る」

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 16年1月にカタールで開催されるリオデジャネイロ五輪アジア最終予選(AFC U-23選手権)に挑むU-23日本代表(現U-22日本代表)。キャプテンマークを託されるMF遠藤航は、15年7月の東アジア杯でA代表デビューを飾るなど、手倉森ジャパンの先頭を走り続けてきた。若き侍がついに迎える大一番に向けて、熱い思いを語った。

内容ももちろん大事だけど
予選で求められるのは“結果”


――1月に行われるリオ五輪アジア最終予選のメンバーに入りました。率直な感想を教えて下さい。
「『いよいよ始まるな』という気持ちが強くなっていますし、今までやってきたことをしっかりと出して、絶対にリオの切符を手に入れるという気持ちで臨みたいと思っています」

――手倉森ジャパンではキャプテンを任され、最終予選でもキャプテンマークを託されます。
「僕は声をすごく出してチームを引っ張る感じではありませんが、普段の練習だったり、試合で自分の良さを出しながら、周りをついてこさせるようなプレーをするのが役割だと思っていました。そこはずっと意識してきたし、(手倉森誠)監督もそのあたりを見てくれていたのかなと感じています」

――キャプテンとして、2年間の活動の中でチームの変化をどのように感じますか。
「監督が求めているサッカー、全員守備全員攻撃や柔軟性と割り切りという部分で、選手の戦術理解は深まっていますし、やりたいサッカーを体現できるようになってきています。内容の部分でも、どの試合でも同じようなサッカーをやれている実感があるし、もちろん、ベストではありませんが、最終予選に向けてチームとして成長していると感じます」

――チームの立ち上げ当初との違いを実感しているのですね。
「最初の頃は全員で守備をすること、全員でしっかり攻撃をすることと大まかな戦術の話がミーティングの中でも多かったです。所属チームとやることが違い、『ここはどうしたらいいのか』と迷いながらやっている部分もありましたが、時間が経つにつれて『これで合っている』と思えるようになりました。一人ひとりが自信を持つことで、ここ最近の試合ではチームとして統一感を持ってゲームをできていますし、これを続けていけばいいと確信を得られていますね」

――手倉森監督や選手の言葉を聞くと、予選が近付くにつれて、より守備の意識を強調しているように感じます。
「確かに皆が、より守備を意識するようになりました。自分たちのことを理解してきたというか、自分たちが大量得点を取って勝つチームではなく、まずはしっかりと良い守備から入ることによってゲームをコントロールできるチームだと選手に浸透してきたと思います。アジアの戦いで先に失点すると苦しくなるのは分かっているので、まず自分たちがやるべきことは守備から入って失点をしないこと。そうやって試合を進めることが大事です。内容的にも立ち上げ当初より良いゲームができるようになってきましたが、最近は結果という意味では点が取れていないのが課題として残っているので、そこを最終予選までにしっかり改善していきたいですね」

――遠藤選手自身は、所属チームとは違うポジションであるボランチで起用されています。
「湘南ではなかなか中盤でのプレーがなかったので、ボランチでプレーする難しさはありました。代表の活動がないときは、同時にボランチでプレーする機会もありませんからね。ただ、コスタリカ戦(15年7月1日)あたりから、やっと慣れてきたと感じました。攻撃参加をするにしても、『このタイミングでも行けるかな』と探りながらプレーしていたのが、今は『一度行ってみないと分からない』くらいの感覚があり、ボランチでも違和感なく、自信を持ってプレーできています」

――日本は5大会連続で五輪に出場しています。
「プレッシャーにはなりますが、あまり考えないようにしています。プレッシャーは必ずあるものだと思うし、あまりネガティブにならずに、どちらかというと楽しみな気持ちを持ちながら臨みたいですね。ただ、本当に予選を突破したいし、何としてでも五輪に出たいという思いを皆が持っているので、まずはグループリーグ第1戦の北朝鮮戦(1月13日)に向けて良い準備をして、良い結果を得られるようにしたいです」

――遠藤選手のサッカー人生において、リオ五輪はどのような位置付けで考えていますか。
「手倉森監督もメダルを目指していますし、そこは僕たちも目標としてやっていますが、そこからロシアW杯につなげていかなければならない大会でもあると思っています。五輪で活躍すれば、A代表でプレーするチャンスが増えるだろうし、ロシアW杯に出場して試合に出て活躍すれば海外でのプレーも見えてくるはずです。次につながるきっかけになる大会になればいいと思っているので、必ず予選を突破します」

――最終予選には新しい『ティエンポ』を履いて臨むことになります。履き心地はいかがでしょう。
「『ティエンポ』は天然皮革が使われているので、足に馴染むし、履けば履くほどフィット感がすごく良くなっていきます。ナイキの他のスパイクと比べると、メチャクチャ軽いわけではありませんが、丈夫なスパイクという印象があるので、自分には合っていると思います」

――「フィット感」とともに「タッチ感覚」が『ティエンポ』の大きな特長です。
「以前の『ティエンポ』もすごくプレーしやすかったですが、今回の『ティエンポ』は“当たる”感じが違うと言いますか、軽くボールを蹴ってもすごい飛びそうだなというのが第一印象にあります。それくらいボールを蹴った感触は良かったですね」

――カラーはご自身で決めたようですね。どのような思いが込められているのでしょうか。
「カラーは全部自分で決めましたね。基本的に青が好きなこともあるし、代表のカラーでもあるので、ベースは青でいきたいと思いました。あとはリオ五輪が行われるブラジルの国旗をイメージして黄色、最終予選が行われるカタールの国旗をイメージして赤に白のラインを入れました。スパイクの裏には『GO2RIO』という言葉を入れて、『カタールからリオに行くぞ』というイメージにできたと思います」

――このスパイクを履いて、カタールではどういうプレーを見せてくれますか。
「今まで自分がやってきたことを出す。それは変わりません。球際で戦う部分など、シンプルに自分の良さを出していきたいです。予選で求められるのは結果だと思っています。内容ももちろん大事ですが、何よりも『勝つ』いうことを常に頭に入れ、リオの切符をしっかり持って帰ってきます」

(取材・文 折戸岳彦)

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