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[全日本ユース選手権]愛される大阪U-15奥村が決勝弾、指揮官は背番号26に香川を重ねる

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[12.28 全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会決勝 C大阪U-15 3-2(延長) G大阪JY 味フィ西]

 日本一を決めた少年のヒーローインタビューが笑いに包まれた。延長後半2分にセレッソ大阪U-15の決勝点を奪った2年生MF奥村仁は、先輩たちへの思いを聞かれた際に「よく殴られるんです」と“爆弾発言”。「オイオイ」と周りから突込みが入りそうな発言だったが、あどけなさの残る愛されキャラも相まって、周囲は笑いと拍手をもって応えた。

 奥村は自他ともに認めるあがり症だ。今大会の初戦となった1回戦のアルビレックス新潟U-15戦でも延長前半3分に途中投入されたが、「緊張しすぎて、顔も真っ青になってしまった」。全国の舞台で、初物への弱さを見せてしまった。

 2回戦の大分トリニータU-15戦に先発して1得点を奪ったことで大会での緊張はほぐれていたが、決勝後にあったまさかのヒーローインタビュー。“初物”に頭が真っ白になってしまった。その結果、“爆弾発言”で笑いを誘うことに。しかし周囲は温かく見守り、奥村はチームメートからも「可愛いなって言われました」と話し、照れ笑いを浮かべた。

 C大阪の背番号26。トップチームでOBの日本代表MF香川真司がブレークした2007年と2008年の2年間で背負っていた番号だ。大畑開監督も姿を重ねる。「本人が感じているかは分からないですけど、期待しています」。その思いを伝え聞いた奥村は「全く知らなかった」と話しながらも、「うれしいです」と笑顔を弾けさせた。

 来年は王者チームの主力としてチームをけん引する立場になる。「夏も冬もプレミアもあるので、3連覇して、今の先輩たちを超えられるように頑張りたい」。力強く話した奥村。すべてを経験した背番号26にもう怖いものはない。

(取材・文 児玉幸洋)

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