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警鐘を鳴らす柏FW工藤「すべての人に課題が残った一年」…チームはMLSへの移籍を発表

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[12.29 天皇杯準決勝 浦和1-0柏(延長) 味スタ]

 柏レイソルの3年ぶりとなる元日決勝は叶わなかった。天皇杯準決勝で敗れたことで、今季の全日程は終了した。今季から吉田達磨監督が就任、ボールを保持して主導権を握るサッカーへと舵を切った柏は、J1第1ステージでは14位に低迷するも、AFCアジアチャンピオンズリーグでは8強に進出し、J1第2ステージでは一時は上位に顔を出すなど、評価されるべき1年でもあった。FW工藤壮人は結果には満足していなかったが、手応えもつかんでいたという。

「優勝争いだったり、もっと上のところで戦わないといけなかったですけど、一人ひとりの選手についてはかなり成長したと思います。いままでは勢いでやっていた選手たちも、サッカーに対して、真剣に考えさせられる一年だった」

 それでも、やはり柏の選手にとっては苦難の一年になった。チームはシーズン途中の10月28日に吉田監督の退任を発表。「チームがどうなっていくんだ、という状況になっていた」というが、「一つひとつの練習や試合で気持ちを切らさずにやり続けてきた」ことでチームの空中分解が防げたと工藤は明かした。

「柏レイソルの監督、選手だけでなく(取り巻く)すべての人に課題が残った一年だった」と指摘すると、チームとしてひとつにならなければいけないと強調。「(ひとつになっていないことで)こういう結果になってしまったと思う自分もいる」。延長後半12分に浦和レッズに決勝点を許したこの日の結果についても言及すると、「いい試合だったからこそ、元日も戦いたかった」と悔しさを滲ませた。

「それぞれの道に進む」。来季について、そう含みをもたせてミックスゾーンを後にした工藤。試合後、柏からアメリカ1部リーグ(MLS)のバンクーバー・ホワイトキャップスへと移籍することが発表された。

(取材・文 奥山典幸)

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