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[MOM1641]國學院久我山FW内桶峻(3年)_幻のゴールから約1年…「3年生もいるんだぞ」と胸張る一撃

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 國學院久我山高1-0広島皆実高 味フィ西]

 約1年越しで実現した悲願のゴールだった。國學院久我山高(東京A)は全国高校選手権1回戦で広島皆実高(広島)に1-0で勝利し、2年連続の初戦突破を果たした。決勝点を決めたのはFW内桶峻(3年)。右CKからニアサイドへ飛び込んでの一撃で勝利を手繰り寄せた。

 昨年11月15日に味の素フィールド西が丘で行われた全国高校選手権・東京都Bブロック予選決勝・実戦学園高戦。2年生ながら先発した内桶は、GKとの1対1からゴールネットを揺らした。自身初となる待望の“西が丘・初ゴール”を喜んでいたが、オフサイドの判定でゴールは認められず。幻のゴールに終わってしまった。チームは2-0で勝利し、全国行きを決めたものの、気持ちはどこか晴れなかった。

 現在3年生である内桶たちの学年が入学後、久我山は西が丘での試合で無失点かつ無敗を誇り、3年連続で全国高校選手権に出場している。しかし、FWながら内桶は西が丘では無得点という状況。この一年は、オフサイドに終わった映像を繰り返し見ていたといい、「すごく悔しかった。次こそは」と思いは募った。

 そして因縁の地、西が丘で迎えた広島皆実高戦。前半15分にチャンスはやってきた。MF鈴木遥太郎(3年)の蹴り入れた右CKに合わせ、ニアサイドへ飛び込んだ内桶はヘディングシュートを叩き込んだ。「ニアにいいボールが来たので、合わせるだけでした。イメージ通りにボールが来て、上手く決められた」という一撃はゴールネットを揺らした。

 前回は“幻”に終わったが、この日の得点後に目へ映った光景は現実だった。応援スタンド前で決めたゴール。皆が喜び、内桶の名前を呼ぶ。「決めた瞬間に目の前が観客席で、皆が喜んでいて。最高の景色でした」と笑顔をみせる。

 久我山の清水恭孝監督は「やっと西が丘で取れてよかったんじゃないですかね」と内桶のゴールを振り返ると、「去年の都の決勝ではオフサイドで。(西が丘で)なかなか取れていなかったから。そういう意味でも気持ちは入っていたし、嬉しかったんじゃないかと思う」と3年生FWの胸の内を思いやった。

 久御山の前線ではFW澁谷雅也(2年)やMF名倉巧(2年)といった下級生たちが注目を集めるが、全国初戦で3年生が仕事を果たした。内桶は「1、2年生が注目されている傾向がありますけど、3年生もいるんだぞと見せていけるように」と強く誓った。

(取材・文 片岡涼)
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
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