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[選手権]GK坂が同点弾!! 守護神大活躍の札幌大谷がPK戦で鹿児島城西に競り勝つ

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[12.31 全国高校選手権1回戦 札幌大谷高 1-1(PK5-4) 鹿児島城西 NACK]

 第94回全国高校サッカー選手権は31日、各地で1回戦を行った。NACK5スタジアム大宮での第1試合では、2年ぶり2回目の出場となった札幌大谷高(北海道)と鹿児島城西高(鹿児島)が対戦。先制された札幌大谷は、フットサルU-18日本代表候補のGK坂桂輔(3年)が同点PKを決めて、試合はPK戦へ。ここでも2本のシュートを止めるGK阪の活躍があり、札幌大谷が同校史上初めて2回戦進出を決めている。

 丁寧なビルドアップが持ち味の札幌大谷だが、前半は後方からロングボールを蹴ってしまい、なかなかリズムをつくることができない。そんな中、前半8分には鹿児島城西が先制点を挙げる。右サイドでボールを持ったFW松野下晃平(3年)がタメをつくると、右SB上園裕也(3年)がオーバーラップを仕掛ける。松野下からボールを受けた上園が、ゴール前に低いボールを入れると、中央で札幌大谷DFがこれに対応。ボールをペナルティーエリア内で止めたが、自分ではコントロールできなかった。こぼれ球にFW中村英貴(3年)がいち早く反応して右足でシュートを放ち、ゴールネットを揺らした。

 先制した鹿児島城西は、その後もルーズボールを多く回収し、試合を優勢に進めていった。16分には、松野下が負傷でプレー続行不可能となり、FW福島有貴(2年)と交代する。アクシデントに見舞われた鹿児島城西だが、その後も札幌大谷からボールを奪って、素早く左サイドに展開。MF松本順也(2年)は存在感を示したが、追加点は挙げられないまま時間が推移した。

 札幌大谷も32分にFW山口航平(3年)を下げ、FW荒木拓也(3年)を投入し、流れを変えようとする。しかし、なかなかボールをアタッキングサードに運べないまま、前半はシュートを打てないまま折り返した。

 ハーフタイムで札幌大谷の田部学監督は、GK、CB、ボランチの選手たちに声をかけたという。「相手のプレスバックがきつかったので、ボランチがビルドアップに参加できていませんでした。そのときはCBが起点になればいいのだけれど、蹴っていたので、少し最終ラインで相手を引き付けて、中盤をラクにしてあげようと話しました」。これが奏功し、前線の選手たちが少し余裕を持ってボールを持てるようになり、札幌大谷はドリブルで仕掛ける回数を増やしていく。後半5分にはペナルティーエリア内でMF西野尾基陽(3年)が倒されてPKを獲得。これをGK坂が決めて1-1と試合を振り出しに戻した。

 同点に追いついた札幌大谷は一気に勢いづいたが、なかなかシュートには持ち込めなかった。逆に鹿児島城西にも後半24分にビッグチャンスが訪れる。松本がGK坂と1対1になるチャンスを迎えたが、GK坂がシュートをブロック。こぼれ球に鹿児島城西FW眞田颯(2年)が詰めたが、戻ってきた札幌大谷DFが体を張った守備でゴールを割らせなかった。

 28分には札幌大谷も左サイドから鹿児島城西を崩し、荒木がシュートを放ったがGK下野和哉(3年)に阻まれる。GK坂を含めたボール回しでゴールを狙う札幌大谷、鋭いカウンターを仕掛ける鹿児島城西という構図がはっきりしたものの、どちらも追加点は挙げられないまま80分を終えた。

 PK戦でも札幌大谷のGK坂は2本のシュートセーブを見せる活躍で、PK戦5-4の勝利に大きく貢献。シュート計3本、先発選手のうちシュートを放ったのが、GK坂のみという珍しい記録もつくった札幌大谷が、2回戦に駒を進めている。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 河合拓)
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