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[DAYS×ゲキサカ連動企画vol.76]大分MF嶋津翔太(1年)_母校の今と未来をつなぐ1年生スタメン

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DAYS×ゲキサカ連動企画「全国のつくしを探せ!」
[12.31 全国高校選手権1回戦 矢板中央高 2-1 大分高 等々力]

 大分高(大分)の登録メンバーを見ると、ある特徴に気づかされる。30人中、ちょうど半分の15人が大分中出身なのだ。系列の大分中にスポーツクラスが新設されたのが平成23年4月。中学世代からの持続的な指導で高校では全国レベルへの成長と安定をはかる、その流れは、早くも本流となりつつある。

 この新たな試みの象徴といっていいのがMF嶋津翔太(1年)だ。この試合、両チームのなかで唯一の1年生スタメン。大分の右サイドとして走り回り、後半14分に交代するまで周囲に物怖じせずプレーした。

 見せ場は後半2分。サイドでボールを持つと矢板中央のDFを股抜きしてペナルティエリアまで進出。結果、センタリングは味方に合わなかったが、技術の高さを感じさせるワンプレーだった。県大会の準決勝まではボランチだった。だが、決勝で任された右サイドがハマったという理由でこの日も持ち場は右サイドに。このユーティリティ性も魅力といえるだろう。

「レギュラーになったのはインターハイ後、選手権予選の2ヵ月前くらいでしょうか。宮崎で行われたアンダーアーマーカップが転機でした」。レギュラーになってまだ間もない。だが、1年生とは思えぬプレーぶりに緊張も、先輩に対する遠慮も感じさせなかった。これもまた、中学からの流れで先輩との関係が長いからこそなせるわざかと思いきや…「いや、緊張している時もあります。今日そう見えたのは、県大会決勝の時、観ていた親戚に『遠慮しているのがわかる。もっとどんどんやれ』といわれていたからかと」

 前日に16歳になったばかり。これから青年としての凛々しさが加わろうか、という過渡期の表情だ。しかし、サッカーの実力は早くから評価されていた。小学生時は豊後大野市のFC大野でプレー。大分中2期生として入学すると、すぐにひとつ上の代との試合に使われた。まさに、大分の今と、そして未来を担うポジションにいる。

「今日の試合では体の差を感じました。スピードも足りない。来年戻ってくるまでに筋肉、走力を伸ばしてきます。そして、先輩たちが残したベスト4を超えたい」

 大分が同県初の選手権ベスト4に進出したのは2011年度大会。その目標に向かってまず今年大舞台を経験できた。チームにとって悔しすぎる敗戦だったことは間違いない。が、この苦い経験をきちんと糧として後につなげていくことのできる人物がいるということは、大きな可能性を残す。来年、体が一回り大きくなった嶋津翔太がまた全国で見られるか、見られるとしたら次はどんなプレーを見せてくれるのか…注目して見守りたい。

(取材・文/伊藤亮)
 『DAYS』は、何の取り柄も特技もない少年・柄本つくしが、サッカーの名門・聖蹟高校に入部したことで始まる灼熱×感動×奇跡の高校サッカー漫画だ! 現在、週刊少年マガジンで連載中。
 そしてゲキサカでは、柄本つくしのように、“泥臭くチームのために献身的に走る”全国のサッカープレイヤーを応援していく企画「全国のつくしを探せ!」を展開中! 各地の高校世代のゲームの中から、つくしに負けない“熱さ”を持った選手をピックアップしていく。全国のサッカープレイヤーは要チェックだ! 次の“つくし”はキミかもしれないぞ!!

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