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[選手権]残り1分から“まさかの”3得点!! 各務原下した明徳義塾が初のベスト8進出

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[1.3 全国高校選手権3回戦 各務原高 0-3 明徳義塾高 浦和駒場]

 第94回全国高校サッカー選手権は3日、各地で3回戦を行い、浦和駒場スタジアムの第2試合では各務原高(岐阜)と明徳義塾高(高知)が対戦。スコアレスのまま進んだ試合は、後半39分から3ゴールを叩き込んだ明徳義塾が3-0の完封勝利を収め、初のベスト8進出を決めた。

 序盤からペースを握ったのは明徳義塾だったが、各務原の粘り強い対応に手を焼いてなかなか好機を生み出せない。前半35分には明徳義塾MF江口隆史(1年)がミドルレンジからシュートを狙い、同37分には各務原がDF黒木雄太郎(2年)が送ったクロスの流れから、走り込んだFW富樫景汰(3年)がシュートを放ったものの、ともにゴールマウスを捉え切れなかった。

 スコアレスのまま後半を迎えても明徳義塾がボールを回し、各務原守備を崩そうとするが、サイドからは敵陣深くまでボールを運べるものの、どうしても各務原の中央の守備を攻略できない。後半18分にはPA内でボールを受けたFW大田陸(2年)がシュートまで持ち込み、同26分にはMF武藤健太朗(3年)のクロスからFW足立航(3年)がヘディングシュートを放つも、ともにネットを揺らすには至らなかった。

 すると、「前半からポゼッションをできて、選手が勘違いをして攻め疲れて逆の形になってしまった」と明徳義塾の小松晃監督が振り返ったように、徐々に各務原がゴールを脅かす場面を作り出す。後半28分にはMF和田遼馬(3年)の蹴り出したCKをDF山田大夢(2年)がヘディングで合わせるがGK六倉葵(2年)のファインセーブに阻まれ、同38分には再び和田のCKの流れからFW富樫景汰(3年)が決定的なヘディングシュートを放つが枠上に外れてしまった。

 すると、残り1分となった後半39分から一気にスコアが動く。右サイドを突破したMF佐々木敦河(2年)のクロスに飛び込んだMF三田村基俊(3年)がダイビングヘッドで叩き込んで明徳義塾が、ついに各務原のゴールをこじ開ける。さらに後半アディショナルタイムにはMF土家壮太(2年)がミドルシュートでネットを揺らしてリードを2点差に広げ、その直後には大田が3点目を奪い、明徳義塾が試合終盤の3得点で3-0の完封勝利を収めた。

 小松監督は「PK戦になったら3年生から順番にキッカーは決めていましたし、選手に言葉を掛ける準備をしていました」とPK戦も視野に入れていたことを明かした。しかし、一気の3得点で勝利を収め、「どんなチームと戦ってもウチはチャレンジ精神を持ち、最後の最後まであきらめずに戦う姿勢を出していきたいと思っていました。最後の最後、勝ちにこだわった選手が素晴らしい」と選手たちを称賛しつつも、「でも、まさか3点も入るとは思いませんでした」と苦笑した。

 チームとしては初、県勢としては29大会ぶりのベスト8進出を決め、2日後の準々決勝では前回大会王者の星稜高(石川)と対戦する。「気持ちが前を向いていたら、チャンスは絶対にあると思います。ウチは失うものは何もないので、最後まで諦めずに戦いたい」と前回王者撃破に意気込みを示した。

(取材・文 折戸岳彦)
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