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[MOM1677]前橋育英MF金子拓郎(3年)_スタンド沸かせた切り返しとアイディア、左利きのドリブラーが2アシスト

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 帝京三高 1-3 前橋育英高 フクアリ]

 その巧みな切り返しが帝京三高DFを翻弄していた。前橋育英高MF金子拓郎(3年)は前半25分、左サイドの金子が1対1のドリブルで左右に切り返しながら相手を揺さぶり、最後は「GKに取られないボールを蹴るようにしました」とPA内左から左足でGK頭上をフワリと越えるクロス。ファーサイドへ走りこんだFW横澤航平(3年)が滑り込みながら左足アウトサイドで押し込んだ。

 DFのタイミングを外すドリブルとアイディアあるラストパスで先制点をアシストした金子はさらに後半10分、観衆を沸かせるプレーで2点目をもたらす。MF大塚諒(2年)からのパスを右中間で受けるとドリブル開始。縦に潜り込もうとして切り返したMFはわずかに後退すると、左足シュートをケアしにきたDFの意表を突く形で再び切り返して縦へ切れこむ。DF2人を完全に置き去りにしてから出されたラストパスを左SB吉田朋恭(3年)が左足で押し込んで2-0。そのドリブルで会場からの大きな拍手を浴びたMFは「本当はシュート打ちたかったんですけど、左切られちゃったんで縦に行ってセンタリングにしました」という好判断とテクニックでもたらしたアシストを振り返った。

「金子は良かった。切り返しばかりなんですけどね。あれが持ち味なんで。結構左足のクロスなんかも精度持っている。これからもっと伸びるんじゃないですかね」と山田耕介監督も評するドリブラー。得点に絡むことのできなかった初戦と変わったことは積極性だった。初戦後試合映像を見て自身のプレーを確認。「昨日何もできなかったので、チャンスに絡めなかったのでやってやろうと思いました。いつでも自分の最高のプレーを出したいけれど初戦ダメだったので、よりやってやろうという気持ちが強かったのでそこが大きかった」。ボールを受けたら前を向くように心がけ、仕掛けてゴールに繋げようとした。その積極性が2つのゴールを生み出した。

 小学生時代から磨いてきたドリブル、スルーパスを武器とする金子の目標とする選手は1年前に準優勝したチームのエースだったMF渡邊凌磨。「凌磨さんみたいな選手に。ポジションも同じなので。自分よりもタメもつくれて、ボールタッチも上手い」と語っていた先輩の成績に一歩ずつ近づいてきているが、「まだ今回しか役に立てていない。まだまだだと思います」と首を振る。先輩のように全国舞台で活躍し続けてチームをひとつでも上へ導くこと。「優勝とか見ないで次の試合も絶対勝って埼玉へ行きたいです」。得意の切り返し、左足キックで再びゴールと歓喜をもたらす。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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