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[選手権]頭脳と技術でピッチ支配するヒガシの10番・中村、決勝点の起点に

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[1.5 全国高校選手権準々決勝 駒澤大高 0-1 東福岡高 駒沢]

 試合の主役の座はMF橋本和征(3年)に譲ったが、東福岡高で最も存在感を放っていたのはMF中村健人(3年)だった。前半終盤などセカンドボールを拾えず、守備面でチームに負担をかけてしまっていたという思いがある。だが、「自分の特長であるキックだったりでサイド振ったり、一本のパスでチャンスつくったりを狙っていましたというMFは前半から狭い局面でもボールを繋ぎ、大きな展開のボールで局面を変え、特に後半は高精度の右足で決定的なクロスを配球した。

 加えて後半22分の決勝点のシーンも起点になったのは中村のプレーだった。「コーチに裏に抜けろと言われていたんですけど、相手が警戒した時に一回裏抜ける動きしてもらいにいって理想の形でできました」。裏へ抜ける動きをダミーに、すぐさまボールを受けに降りて縦パスをダイレクトで正確にサイドへ叩いた。これで前を向いたMF三宅海斗(3年)が右足でアーリークロス。最後はこぼれ球を橋本が頭で押し込んだ。

 抜きん出た技術の持ち主はチームが駒澤大高のプレッシャーに苦しむ中、「クリアするとき、拾った時に逆サイドのSBを見ろと話していた。そうすることによって密集しているところを抜け出せるのかなと思った」と“脱出法”を伝えてその網をかいくぐろうとした。1点を追う駒澤大高が反撃した終盤、その苦しい時間帯でもボールを確実に保持。その精度と頭脳で逆に決定的なシーンをもたらした。

 3回戦で市立船橋高との優勝候補対決を突破。続く駒澤大高も何とか振り切った。「勝ち切ったところが一番大きいかなと思います。ヤマ場抜けた後の試合は難しいと思うんで、内容はどうにしろ勝ち切ったことは大きいと思います」。チームは17年ぶりの4強。そして自身もコンディションを上げてきている大会屈指のMFは準決勝でも頭脳と技術で試合を支配しつつ、試合を決めるワンプレーをしてのける。

(取材・文 吉田太郎)
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