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[選手権]2年前、優勝したのは彼らではない…苦しい時期を乗り越えたチームに富山一・大塚監督「称賛に値する」

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 2大会前の選手権優勝校である富山一高(富山)。その後は全国大会まで辿り着くことができなかったものの、今大会、全国の舞台へと戻ってきた。初戦となった2回戦の日章学園戦を1-0で制すと、3回戦では矢板中央に先制を許す苦しい展開も後半アディショナルタイムの決勝ゴールで劇的な勝ち上がりを決めた。しかし、準々決勝の青森山田戦、チームは0-1で敗れて大会から姿を消すことになった。

 チームを率いる大塚一朗監督は「プラン通りに試合を運べたし、出来は悪くなかった」と青森山田戦を振り返りつつも、「カウンターのところでシュートまで持っていけなかったのは残念。サッカーは点を取るか取らせないか。そこで取られて取れなかったのがすべてです」と敗戦を受け止めた。

 2大会前、選手権初優勝を飾ったことで、チームを取り巻く環境は大きく変わった。それは、「僕がコンビニでおにぎりを買っているのを、ツイッターされるくらい」(大塚監督)。それだけ、富山一サッカー部の注目度は上がったということだ。しかし、選手権優勝以降、注目を浴びるチームは全国の舞台から遠ざかってしまう。その間の選手たちの心情を指揮官は、「しんどかったんじゃないかなと思う」と話した。

「優勝したのは彼らではなく、2年前のチームが達成したことです。それでも、彼らは試合に出ると優勝チームという目で見られます。いろいろな面でプレッシャーがあったと思うし、悩んだ時期があったと思います」

 だが今回、選手権の舞台に戻ってきた。そして、舞台に戻ってくるだけでなく、ベスト8まで勝ち進んできた。だからこそ、大塚監督は「いろいろなものをはね返して、ここまでやってきた選手たちは称賛に値します。選手に感謝したい」と苦しい時期を乗り越えて、再び全国で輝いた選手たちへの賛辞を惜しまなかった。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)
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