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[選手権]準々決勝前日は計4度、「どこのチームよりもミーティングをしている」星稜が4年連続4強入りの快挙

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[1.5 全国高校選手権準々決勝 星稜高 3-0 明徳義塾高 駒沢]

 前年度王者・星稜高(石川)は前半に退場者を出した明徳義塾高(高知)に3-0で快勝。4年連続でベスト4進出を果たした。76年度の首都圏開催移行後、4年連続でベスト4進出を果たしているのは79年度から83年度まで5年連続で準決勝進出を果たした韮崎高(山梨)と00年度から04年度まで5年連続で準決勝へ駒を進めた国見高(長崎)だけ。史上3校目という快挙となった。

 全国制覇した昨年度の全国高校総体はベスト8、そして今年もベスト16で敗退している。だが、名将・河崎護監督の下、毎年冬に強いチームを作り上げることができているのは何故なのか。昨年度の優勝GKでもある坂口璃久(3年)はその理由として、どのライバルたちよりも実施しているという「ミーティング」を挙げる。「チームをひとつにするために、多分どこのチームよりもミーティングをしていると思う。選手だけのミーティングだったりとか、自分たちの思いを言い合ったりとか、そこでチームを一つの方向、日本一の方向に向かせるためにいつもミーティングしているので、そのミーティングは効いていると思います。チームミーティングと選手ミーティングというのがあって、その後3年生ミーティングとかもあるので、ミーティングは本当にたくさんやっています」。

 毎日1時間から1時間30分かけて行われるというチームミーティングでは戦術面の確認や、対戦相手の映像を見ながら、選手の特長を分析したりするという。そして毎日1時間ほどの選手ミーティング、そして3年生ミーティングと連日2、3時間の時間をミーティングに費やしている。その中で選手たちは強制ではなく、自発的に次々と考えを発言。4強入りを懸けた明徳義塾戦前日のミーティングについては午前練習前に30分強の時間実施してから夕食後にチームミーティング、選手ミーティング、3年生ミーティングの計4度のミーティングを行ったという。そこで「去年もそうだったんですけど、ベスト8からベスト4って全然違っていて、メダルとか埼スタ(埼玉スタジアムへの進出)もかかっていますし、みんな強い気持ちを持っていたので、自分たちは実力ないので気持ちで絶対に負けるなと話していました」と坂口は自身のサッカーノートを取り出して説明した。昨年のチームが「本当に長かった」(坂口)こと、またそれが結果に結びついたことから、坂口ら経験者たちが今年のチームに持ち込んだどこよりも回数、時間をかけているミーティング。その効果もあって星稜は準々決勝も突破した。

 次は準決勝。坂口は「試合を重ねるごとにチームが良い感じになっている。自分たちの目標は日本一。次はインターハイ王者のヒガシ(東福岡)とやれるんで、自分たちはチャレンジャー精神を忘れずにやっていきたい」と語る。2年生唯一のレギュラーだった昨年度、坂口は5試合3失点の堅守を発揮して日本一を経験。だが、ケガでスタートした新シーズンは後輩GK高橋謙太郎(2年)とのポジション争いで勝利することができず、わずかな出場機会しか得ることができなかった。「ケガもあったんですけど気持ちの部分で負けていたと思う」という苦しい時を過ごして選手権開幕直前に先発を奪還。副主将としてチームのために、自身のために取り組んできたことが最後に実りつつある。「去年は先輩に優勝させてもらったという感じだった。今年は自分が優勝させたいと思っています」という守護神は準決勝へ向けて相手を分析し、仲間たちと気持ちを高め、そして「自分が失点しなければ絶対に負けない」という強い意志をもって夏の全国王者・東福岡高(福岡)に挑む。

(取材・文 吉田太郎)
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