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[ニューバランスカップ]「内容突き詰めながら結果も目指す」戦い、“らしさ”徹底の静岡学園が桐生一との準決勝制す!

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[1.6 ニューバランスカップ準決勝 静岡学園高 2-0 桐生一高 時之栖B2]

 本年度から株式会社ニューバランスジャパンが特別協賛している通称・“裏選手権”、「ニューバランスカップ 2016 IN 時之栖 新春高校サッカー強化研修大会」は大会最終日の6日に準決勝と決勝を行い、静岡学園高(静岡)と桐生一高(群馬)との準決勝は2-0で静岡学園が勝った。

 中盤での存在感際立つ注目MF若山修平(2年)や高速ドリブルでDFを振り切るU-16日本代表MF渡井理己(1年)中心にチャンスを作り出す静岡学園に対し、桐生一は遅れてファウルになるシーンもありながらも立ち上がりから球際でのチェックが激しく、コンパクトかつ、ポジション修正速い守備を継続していた。

 序盤は主導権を握り合う展開になった。その中で静岡学園は11分に左MF戸田大智(2年)のスルーパスからDFを外した渡井が決定的な右足シュートを放ったが、これは桐生一GK小林昇矢(2年)がファインセーブ。だが静岡学園はその後も攻撃参加した左SB堤拓也が右足シュートを打ち込み、渡井のドリブル突破から折り返しをFW佐藤拓海(2年)が右足で合わせる。これはクロスバーを叩いて得点とはならなかったものの、桐生一守備陣に圧力をかけ続けた。

 桐生一は188cmの大型レフティー、FW狩土名禅(2年)がU-18日本代表のロシア遠征中。日本とアルゼンチンにルーツを持つ注目FWが不在だったが、それでも履正社高などと対戦した今大会5試合で19得点をマークしている桐生一はMF竹内一将(2年)とMF黒澤翔(2年)のダブルボランチ中心に攻撃を組み立てて対抗する。だが、J注目GK山ノ井拓己(2年)、CB嶋一駿(2年)と下級生時から経験豊富な選手たち擁する静岡学園守備陣はスペースを狙う攻撃にも対応。得点を許さなかった。

 静岡学園は指揮を執った齊藤興龍コーチが「ひとつの大会で優勝目指すっていうのは彼らのモチベーションになっている。それをカチ、カチとならせないように、こっちがブレーキ踏みながら良かったな、悪かったなと言いながらやって、内容突き詰めながら、結果をもちろん目指すぞとアイツらにも言えたので良かった」というように、勝負にこだわりながらもショートパスとドリブルで崩す“静学らしさ”も徹底して、それを結果に結びつける。後半、FWの先発争いを演じている天本翔太(2年)が左足ミドルを叩き込んで先制。さらに「この中に入っても平気でできている」と齊藤部長が評した期待の1年生MF渡井のクロスから、この試合で好アピールした天本が再び決めて2-0で勝った。

 敗れたものの、レベルの高い中で計6試合を戦った桐生一の田野豪一監督はいろいろなタイプのチームと戦う中で今年のチームの持ち味も出せたことについて前向き。「(今大会通して)ボールを回していけたと思う。群馬はプレスガンガン来るし、(また、ライバルの前橋)育英には持たれるから静学とできたのは良かった。こういう強い、速い相手にもできないといけない」と語った。

 将来を担う育成年代のアスリートたちのサッカー技術を向上させるべく開催されているニューバランスカップ。強豪校同士の戦いを経て学んだ選手たちは、課題をチームに持ち帰り、来冬の飛躍のためにまたトレーニングに励む。

(取材・文 吉田太郎)

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