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[選手権]チーム内得点王・東福岡FW餅山は全5得点に絡む活躍

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[1.11 全国高校選手権決勝 東福岡高 5-0 國學院久我山高 埼玉]

 全5得点に絡む大車輪の活躍だった。しかし、日本一に立ったストライカーは喜びの声は控えめに、「前半のチャンスを決め切れなくて悔しいのが一番」と唇を噛む。東福岡(福岡)のFW餅山大輝(3年)は決勝・國學院久我山戦で自ら1得点を挙げ、通算4得点でチーム内得点王になっただけでなく、全5得点に絡む活躍をみせたものの試合後は反省しきりだった。

 4-1-4-1システムの1トップを務めた餅山。前半36分にはCFWとしての仕事を果たす。やや左サイド寄りの位置でMF中村健人からのパスをしっかりはたく。ワンツーで受けた中村が縦パスを入れ、MF藤川虎太朗(2年)から受けたMF三宅海斗(3年)がシュートを決め、先制した。後半2分には右サイドの裏へ抜け出そうとした餅山がDF上加世田達也(1年)のファウルを誘い、FKを獲得。これが2-0とする“トリックFK”につながった。

 そして後半22分には餅山自らゴール。中村からのループパスに抜け出すと、PA手前でGKを前に左足ループシュートを決めた。「いつも健人が自分の動きを見てくれているので。あそこでもいいボールが来た。GKが前に出るのが見えて、冷静に打つことができました」と振り返るとおりだ。

 ゴールを決めた後も足を止めないFWは、最後の笛が鳴る瞬間まで仕事を続ける。後半25分には、的確な状況判断でスルーした結果、ゴールをお膳立てした。前線で相手DF2人の間にポジションを取る。右サイドから攻め上がってきた自チームのタイミングを見て、PA右へ抜けるとゴールライン際からDF児玉慎太郎(2年)の折り返しをスルー。「誰かが後ろに抜けてくれていると思って、信じてスルーしました」という信頼に藤川が応え、4-0になった。

 1得点に加え、4点に絡んだ餅山は最後にはアシスト。左サイドで受けた餅山はドリブルで持ち込み、優しく横パス。受けた中村がワンタッチから右足ミドルを決めた。全5得点に絡んだFWは「自分が自分がと言っていては、今日あれだけの点は入らなかったと思う」と言う。餅山がチームプレーに徹した結果、生まれたのが大量5得点だった。まさに大車輪の活躍だが、本人は「(5得点より)チャンスはもっと多かったので」と好機を逃したことを悔やみ続けていた。

 今後は鹿屋体育大へ進学予定。高校同様に大学へ進んでも、九州の地から全国を目指す。日本一を経験したストライカーは「まずは大学でも試合に出て、九州選抜に入って、最後は大学の日本代表、全日本大学選抜になるのが目標です」と先を見据えた。頂点を味わっても慢心することはない。餅山はどんなときも目標を見つけ、上へ上へと歩み続ける。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 片岡涼)
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