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[選手権]準Vに涙の2年生エース…國學院久我山FW澁谷「来年は自分が引っ張る」

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[1.11 全国高校選手権決勝 東福岡高 5-0 國學院久我山高 埼玉]

「(準決勝の青森)山田戦ではドリブルとか、少しは通用していたと思うんですけど、決勝ではうまく封じ込められて、さすが王者だなと思いました」。全国高校選手権で準優勝に終わった國學院久我山高(東京A)のエース、FW澁谷雅也(2年)は自身の出来に肩を落とした。まったくプレーをさせてもらえなかったわけではなかった。ポスト役をこなしつつ、敵陣には何度も進入、単身ドリブルで抜け出すシーンもあったが、チームは無得点、自身もシュート1本に終わった。「途中までは行けるんですけど、最後の最後で止められるので……。本当にすごいなと思いました」。澁谷はため息まじりに東福岡高(福岡)を賞賛した。

「『点を取りにいこう』とハーフタイムに話していて、(東福岡の2点目は)自分たちにとっても大きかった」と話したのは、澁谷との縦の関係で攻撃を牽引してきたトップ下のMF名倉巧(2年)。1点を追いかけた後半立ち上がり2分に決められた、東福岡の背番号10、MF中村健人(3年)の“トリックFK”は、あらゆる意味で國學院久我山を動揺させた。それでも、「『切り替えて2点を狙いにいこう』と話していたんですけど、3点目を取られてしまって……。東福岡の勝負強さを感じました」と名倉は王者の試合運びの巧みさに脱帽した。

 ボールを持つたびに國學院久我山応援スタンドを沸かせていた澁谷と名倉の2年生コンビは、大会優秀選手にも選出された。表彰式では隣に並んで東福岡の優勝に涙した。「3年生のおかげでここまでこさせてもらって、自分は優秀選手にも入れさせてもらって。0-5という結果は本当に申し訳ない」と澁谷は一度は下を向いたが、「来年は自分がしっかりと引っ張っていけるように、日々練習していきたいです」と語気を強めた。試合後に、3年生には「来年がんばれ」と声を掛けられ、2年生と1年生とは「来年絶対優勝しよう」と気持ちをひとつにした國學院久我山。同校史上最高成績をおさめた2015年度を経て来る2016年度、東京勢としては1991年度の帝京高以来25年ぶりとなる選手権制覇を目指す。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)
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