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福島県2部からJ入り目指すいわきFC…オランダ人指揮官「話を聞いて興奮した」

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 アンダーアーマーを日本で展開するドームは13日、福島県社会人2部リーグに所属する「いわきFC」の運営を主事業とする「株式会社いわきスポーツクラブ」の設立を発表した。

 将来的なJリーグ参入を目指し、社長には湘南ベルマーレ前社長の大倉智氏を迎えた。「サッカーを通じて、いわき市を東北一の都市にする」とのビジョンを掲げ、ドームがいわき市に建設し、今春より稼働を予定している自社物流センター「ドームいわきベース(DIB)」に拠点を置く。5年後を目標に市内中心部にスタジアムの建設も計画している。

 監督には元オランダ代表FWで、現役時代にはサンフレッチェ広島にも在籍したピーター・ハウストラ氏を招聘。引退後はオランダでフィテッセやアヤックスでアシスタントコーチ、フローニンゲン、デ・フラーフスハープで監督を歴任。14年からはインドネシア代表のテクニカルディレクターを務めていた。

 ハウストラ監督は「最初にこの話を聞いたときはとても興奮した。こんなチャンスは人生にあるかないかの話。すぐに『はい』と答えた」とオファーを快諾。「津波で大きな被害を受けたいわきでこのプロジェクトをやることは、とても特別なことだと感じた」と、東日本大震災からの復興途上にあるいわき市で単身生活する覚悟を固めた。

 コーチングスタッフはGKコーチも兼ねたアシスタントコーチのほか、選手の身体能力向上やケガの予防などに取り組むストレングス&コンディショニング(S&C)コーチを置く予定で、監督を含めた3人体制。監督は英語で指示を出し、通訳は用意しない。

 いわきFCの拠点となる物流センター「DIB」の敷地内には人工芝のグラウンドとクラブハウスを建設中で、6月に完成予定。選手とは当面、プロ契約を結ばず、午前中にトレーニングを行い、午後はDIBで仕事をする。大倉社長によると、これまでにいわきFCでプレーする意思を示している選手は6人。昨年も在籍していた選手のほか、大倉社長自らスカウトに動き、「先日の高校選手権に出ていた選手もいる」という。

 今後は23日にいわき市内で選考会となる「コンバイン」を開催する。「コンバイン」とは、いわゆるセレクションやトライアウトのことで、書類による1次選考を通過した選手が技能テスト、フィジカルテストを受ける。今季の選手編成は18~20人程度を想定しており、「福島県2部から福島県1部に昇格すること」を目標に掲げている。

 県2部から県1部、東北2部、東北1部、JFL、J3、J2、J1と一つずつカテゴリを昇格していった場合、J1昇格は2023年となる。ただ、全国社会人選手権(全社)で上位に入れば、地域リーグ2部以下所属のチームでも、JFL昇格を懸けた地域リーグ決勝大会に出場することは可能。とはいうものの、大倉社長はこうした制度に関して「すぐには考えていない」と足下を見つめる。

「まずはいわき市の人たちにいわきFCの存在を知ってもらわないといけない。チームのベースをつくって、少しずつ認知度を上げていきたい。どのタイミングでそうした“飛び級制度”を狙うのかは、今後の戦力的なことも踏まえて考えていきたい」。まずは地域密着型のクラブ経営を目指し、一歩ずつ階段を上っていくつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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