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[MOM1712]神村学園DF西元耀星(2年)_「できないの迷惑かかる」磨いてきたヘッドで九国との制空権争い制す

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.14 九州高校(U-17)大会準々決勝 神村学園高 2-0 九州国際大付高 鹿児島県立サッカー・ラグビー場B]

 奪ったボールを素早く縦、サイドへと入れて攻撃を繰り出してくる九州国際大付高のパワフルな攻撃を「ヘディングは負けたくない」というCBが跳ね返した。今回の九州大会の予選リーグを3試合連続無失点で勝ち上がってきた神村学園高は準々決勝でも完封勝利。その中心にいたのが1年時から主力を担うCB西元耀星(2年)だった。

 最終ラインで存在感放つ182cmのCB。前線へ放り込まれてくるボールを身体を張って阻止するDFは与えられた役割を黙々とやり遂げていた印象だが、これまではヘディングを得意にしていた訳ではないのだという。入学当初はカバーリングや出足で勝負するCBだった。だが「CBの片割れとしてヘディングできないのはチームにも迷惑かかるかなと。強くしていかないといけない。1年の後半からめっちゃ練習をしていて、やっと2年の最後でできるようになってきた」と西元。全体練習後にひたすらヘディング練習を重ね、課題の落下点やタイミングを掴めるようになり、現在は武器と言えるものになった。

 この日、170cm代後半や180cm代の選手が半数以上を占める九国大付の攻撃に対し、有村圭一郎監督も「CBがよく跳ね返してくれた」と讃えていたが、西元は「しっかり弾けたことは良かった。今大会(空中戦は)負けていないです。ボクのヘディングでチーム勢いづけることができる」。その豪快なヘッドでチームを勢いづける役割も果たすDFは、中学からコンビを組むCB尾上翔也とともに最終ラインで堅守を築いた。

「ボクの目標としては攻撃の起点になれる選手になりたい。守備だけではなく、攻撃もできる選手になっていきたい」と語る西元の憧れの選手はブラジル代表CBチアゴ・シウバ。「守備ももちろん強いですし、キック精度も高い。得点も取れる。頼りになるCB」。よりヘディングを強化し、サイド攻撃への配球の精度、アジリティも高めなければならない。より頼られる存在となって、今年こそチームとともに全国へ。「1年から出ているからにはチームを引っ張っていかないといけない。自分がDFのラインを引っ張っていきたい。今年は県とかじゃなくて全国を目標にして、全国で自分たちがどれくらいできるか早く試したいです」と意気込むCBが入学以来、神村学園で経験していない全国舞台へチームを導き、そこで白星をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

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