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[MOM1716]長崎総合科学大附DF薬真寺孝弥(2年)_名将が信頼置く大黒柱のリベロ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.15 九州高校(U-17)大会3位決定戦 長崎総合科学大附高 1-0 神村学園高 鹿児島県立サッカー・ラグビー場C]

 前日の準決勝で東福岡高に1-6で敗戦。だが、長崎総合科学大附高は3位決定戦を1-0で制して3位に食い込んだ。無失点で切り抜けたチームの中心にいたのが、リベロの10番CB薬真寺孝弥主将(2年)だ。
 
 昨秋の選手権予選ではボランチを務めていたが、総体予選ではリベロを務めていたという薬真寺。今回の九州新人大会では最終ラインから長短のパスを配球しつつ、相手に隙あればドリブルで中央を駆け上がっていくシーンもあった。高い攻撃性能を持つ薬真寺については、名将・小嶺忠敏監督も「ドリブルも上手いし、長いボールも出せる。本当はボランチ」と認めるが、指揮官は人間性含めて絶対的な信頼を置く主将を最終ライン、リベロに配置して守備の安定感を高めている。

 本人も「一番後ろなんで一番自分がよく見えている。前の人を動かしてボールを奪う」と最終ラインでより自分の持ち味を発揮。周りを動かしながら相手を追い込み、最後は自分のところなどでボールを奪い取る。この日は強風によって思うような攻撃ができなかったものの、それでもチームメートを動かしてワンツー、ドリブルなどで突破を図ってくる神村学園高の攻撃を停滞させ、インターセプトやクリアするなどその存在は大きかった。

 そして1-0で勝利。「昨日のことがあったので、きょう、DF陣は『絶対にゼロに抑えて見返してやろう』という気持ちがあったと思います。自分がまとめないといけないので最後まで集中切らさずにやれたと思います」と胸を張った。

 長崎を代表する強豪のキャプテンはその明るさでもチームを引っ張ることのできる存在だ。「自分は明るさ。暗くなったらみんなもやりにくいと思う。常に明るく」振る舞い、チームを鼓舞している。走りのメニューでは「全員でどんどん上がっていきたいので」と設定タイムを全員がクリアできるように、走りが苦手な選手を声を掛け合いながら押し上げているという。自分だけではなく、チームメートともに「強い総附」をつくりあげようしている。

 4連覇がかかった昨年度の選手権予選準々決勝で国見高に0-1で敗退。先発出場した薬真寺は先輩たちが涙する姿、控えの3年生部員が涙ながらに「頑張れ」とエールをくれたことを忘れない。その気持ちに応えたいという思いは誰よりも持っている。目標は選手権全国制覇。今後チームを強くするために、やるべきことを明るく、チームメートたちとやり遂げてその夢を実現させる。

(取材・文 吉田太郎)

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