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東京VのFWアランが2年連続開幕弾、冨樫監督「今年はポストに当たらず、ホッとした」

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[2.28 J2第1節 東京V1-0札幌 味スタ]

 2年連続の開幕戦ゴールとなった。東京ヴェルディは札幌に1-0で勝利し、4年ぶりの開幕戦白星を手に入れた。決勝点となったのは、後半25分から途中出場したFWアラン・ピニェイロが出場から約4分後に決めたゴール。昨年の開幕戦・C大阪戦(1-1)に続いての開幕弾だ。

 得点が生まれたのは後半29分だった。前線でボールを奪い、MF高木善朗が必死にボールをつなぐと、ハーフウェーラインで受けたアランがドリブルで駆け上がる。「受けた瞬間はゴールが遠かったのですが、運んでいくうちにどんどんゴールが見えてきて。周りの選手のサポートもあってフリーになれたので、最後は自分で思い切って打ちました」。振り抜いた右足シュートはゴール左へ決まった。

 殊勲の一撃を沈めたアランはゴール裏のサポーターの元へ駆け寄り、2016シーズン初ゴールを喜んだ。改めて振り返ったFWは「本当に嬉しくてサポーターの皆さんの所に一目散に駆け寄りました」と微笑む。

 昨季は思うような結果を出すことができず、通算3得点に終わったブラジル人ストライカー。ここぞの決定機で決められないシーンも多かった。しかし、この日は途中出場から約4分後のファーストチャンスをものにした。冨樫剛一監督は「今年はポストに当たらなくて、ホッとしています」と冗談交じりにアランのゴールを喜んだ。

 また後方から見守っていたGK柴崎貴広もアランについて、「なんか決まるなと、シュートが入る感じがした。彼も成長しているし、シュートもどんどんどんどん上手くなっている」と評価する。

 さらにこの日はアランだけでなく、1トップを務めたFWドウグラス・ヴィエイラの奮闘も光った。開幕前の練習試合や練習での出来は満足いくものではなかったが、蓋を開けてみれば、しっかりとボールを収めて、CFWとしての仕事は十二分に果たした。

 チームメイトたちもドウグラスの“覚醒”に驚いたと口を揃える。その一人であるMF高木純平は「練習試合だとボールも取られていて、落としも雑で……あれ?と思っていたんですけど。今日はすごく収まったから、“こいつ隠してたのかな”とゲームをやりながら思いましたね」と笑って話した。

「今年はブラジル人3選手には期待できるんじゃないかな」と柴崎も期待を寄せる。躍進をみせた昨季の東京Vは若手の奮闘が光る中、ブラジル人選手たちは十分な戦力となれなかった。まだ開幕戦1試合を終えたばかりだが、完封を果たしたDFウェズレイに加え、開幕弾を決めたアラン、そして1トップを務めたドウグラスのブラジル人トリオには期待がかかるシーズンとなりそうだ。

(取材・文 片岡涼)

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