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ドイツで5シーズン目の酒井高徳、弟2人と「いつか同じピッチに…」

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 今オフにドイツで初めての移籍を経験したハンブルガーSVのDF酒井高徳。開幕当初は出場機会に恵まれなかったが、チームメイトの負傷もあり、徐々に出番を増やすと、最近12試合のうち10試合に右サイドバックで先発している。3シーズン半にわたってプレーしたシュツットガルトからドイツの名門クラブへ新天地を求めた24歳がクラブ、そして日本代表への思いを語った。

―ドイツで初めての移籍を経験して、シーズン当初、戸惑いや苦労はありませんでしたか?
「何もありませんでしたね。ただ、移籍当初はホテルでの生活が長かったので、早く家に住みたいなという気持ちはありました。移籍をするうえで、家を決めて、落ち着いた環境をつくることは大事だなと感じましたね」

―ハンブルガーSVは降格経験のない名門クラブですが、その伝統や歴史を感じることはありますか?
「まず伝統のあるスタジアムだということを感じます。ドイツには近代的なスタジアムが多いですが、本拠地のアイエムテック・アレーナには歴史を感じるといいますか、僕はすごく好きなスタジアムです。降格経験がないという意味では、今までの選手たちが戦ってきた誇りや歴史を感じます。だからこそ、ここで試合に出場する以上、上を目指したいですね」

―シュツットガルトとハンブルクを比べて街や生活面で違いはありますか?
「そうですね。ハンブルクはとにかく街が大きいですし、本当に都会だなと感じます。でも、少し車を走らせれば自然も多いので、本当に良い場所だと思いますよ。シュツットガルトは長くいた場所でもありますし、初めてのドイツのチームでもあるので、地域という部分で愛着もあります」

―シーズン当初は出場機会が少なかったでしたが、どんな意識でトレーニングに取り組んでいましたか?
「最初から簡単に試合に出られるとは思いませんでしたから、少しずつアピールしていく必要があると感じていました。チャンスで結果を出せるように良い準備を心かけていました」

―デニス・ディークマイアー選手が負傷離脱中に先発の機会を得ましたが、レギュラー争いについてどう考えていますか?
「デニスと僕はまずプレースタイルが違うので、自分の良さをしっかり出すことが大事だと思います。しっかり起点になって、攻守においてハードワークするところが僕の長所でもあるので、そこは負けたくないですね。ただ、デニス以外にも良い意味でライバルが多いので、それも考えると日々、気が抜けないですよ(笑)」

―シュツットガルト時代にも指導を受けたブルーノ・ラッパディア監督の存在はいかがですか?
「過去に教えていただいた監督でもありますので、すごくチームに入りやすかったですね。海外で初めての移籍でしたし、新潟から考えても3チーム目なので、それを考えても、知っている監督の下でプレーできるのは恵まれていると感じています」

―C大阪でプレー経験もあるゴイコ・カチャル選手とは日本語で話すこともあるそうですが、チームメイトとのコミュニケーションに関してはいかがですか?
「僕もドイツに来て5シーズン目なので、みんなと良いコミニケーションが取れています。過去に岡崎慎司選手と同じチームでプレーしていましたが、ロッカールームなどで日本語が聞けるのは少し新鮮な気がします」

―クラブで出場機会がない中でも昨年9月、10月は日本代表に招集されましたが、11月は招集を見送られました。当時の心境はいかがでしたか?
「このタイミングで招集されなかったことは悔しさもありましたが、自分にとっては非常に良い期間になりました。客観的に代表の試合を見ることができましたし、チームで試合に出るためにチームでのことに時間をかけることもできましたから」

―日本代表に復帰するためにもクラブでレギュラーをつかむことが必要だと思いますが、今一番の課題はどこにあると思いますか?
「ここ数試合で本当に良い状態が続くようになりました。これに満足せず、継続しなくてはいけませんし、課題という部分では一つひとつのプレーの精度を上げることが一番大事なのかなと思います」

―U-23日本代表がリオ五輪出場を決めましたが、オーバーエイジ枠での参加に興味はありますか?
「興味という言い方は失礼ですが、僕は参加しないと思いますね。今のU-23日本代表にも同ポジションで良い選手が多いですし、まずはA代表にしっかり選ばれるように、日々頑張るだけです」

―弟の宣福選手と高聖選手はJリーグでプレーしています。兄弟3人がプロ選手として活躍していることをどう思いますか?
「宣福は昨年、アビスパ福岡にレンタル移籍することですごく成長したと思います。精神的にも落ち着いてプレーしている映像を見たので、今年はアルビレックス新潟のために頑張ってもらいたいですね。高聖は今年、福島ユナイテッドFCにレンタル移籍したので、そこでしっかり結果を出して、飛躍してほしいです。年末は一緒に自主トレもしました。仲はすごく良いですし、お互いポジションは違いますが、ライバルでもあります。でも、いつか全員で同じピッチに立ちたいですね」

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