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[MOM373]関東選抜A・GK服部一輝(明治大3年)_PK戦に絶対の自信、守護神が勝利引き寄せる

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[3.4 第30回デンソーカップチャレンジ宮崎大会1回戦 東海・北信越選抜1-1(4PK5)関東A選抜]

 9年ぶりの優勝を目指しながらも苦戦を強いられた関東A選抜に勝利をもたらしたのは、PK戦に絶対的な自信を見せるGK服部一輝(明治大3年=札幌大谷高)の活躍だった。

 前半はチームで6本のシュートを打ちながらも、決定力を欠き、無得点。服部が「本当はもっと前から守備に行って、奪ってからショートカウンターという形を練習していたけど、相手が蹴ってきたからハマらなかった。前線が前から行き過ぎたことで、間延びしてしまい、相手のFWにボールをもたれてしまった」と振り返ったように攻守両面で良さを出し切れず。ピンチも少なかったが、苦しいチームを支えるべく、後方から声を張り、チームを盛り上げた。

 後半になってからは状態が改善したもののゴールは奪えず、先制点は残り10分となってから。念願のリードを奪ったものの、自らの判断ミスにより、後半39分にFW大野燿平(常葉大学浜松キャンパス3年=帝京高)にゴールを許して、勝敗はPK戦まで持ち越されてしまう。

 ただ、「同点でPK戦になっても勝てると思っていたし、僕もPK戦には自信があった」と口にしたように、ここからが腕の見せ所。「高校時代を含めて、PK戦で負けたのは昨年の天皇杯予選の準決勝で国士舘大戦の一回のみ」と自信を見せる、シュートセーブで輝きを放つ。「助走の歩数と蹴る際の角度でこっちというのが分かる」。そう秘訣を明かしたように、蹴る前の動きによって、コースをピタリと読み当て、4本目と6本目のキックをストップし、勝利に導いた。

「2007年以来、関東Aが優勝できていないので、関東の力をしっかり示さないといけない。全日本も一個下の代なので、負けちゃいけない」。そう口にするように今大会では優勝しか考えていない。試合後には2歳年下のMF鈴木徳真(筑波大1年=前橋育英高)に、「今日のヒーローですね」と執拗にからかわれるなど、歳の差や所属チーム関係なく、雰囲気は良く、服部は「メリハリがもてるチーム。サッカーの時は皆で意識を高く持って言い合えるし、オフではめっちゃ仲が良いのでコミュニケーションがとれる」と話すように、一つにまとまっている。

 また、「今回が周りのみんなが就活している分、今大会が僕にとっての就活の場」と口にしたように、多くのJリーグスカウトが集う今大会はプロ入りを目指す彼にとっては絶好の場でもある。「プロはPKを止めるよりも、ゲームの中での出来が大事。次に試合に出たら、無駄な失点はなくしたい」と誓ったように、次戦以降はPK以外での活躍し、優勝に導くつもりだ。

(取材・文 森田将義)
●第30回デンソーカップチャレンジ宮崎大会特集

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