beacon

[デンチャレ]関東Aが全日本倒した北海道・東北選抜を撃破、決勝は「最高の90分」に

このエントリーをはてなブックマークに追加

[3.5 第30回デンソーカップチャレンジ宮崎大会 関東A2-0北海道・東北]

 大学の地域選抜対抗戦である第30回デンソーカップチャレンジ宮崎大会の準決勝および順位決定戦が5日に宮崎県宮崎市内で行われた。関東選抜Aは北海道・東北選抜に2-0の完封勝利を収め、決勝行きを決めた。あす6日に行われる決勝では関西学生選抜と戦う。

 前半から押し込んだ関東選抜Aだったが、なかなかゴールネットは揺らせない。FW山本哲平(慶應義塾大3年=國學院久我山高)とFW松本孝平(国士舘大3年=藤沢清流高)の2トップが前線で身体を張り、2列目からはMF翁長聖(中央大3年=帝京三高)とMF道渕諒平(明治大3年=仙台ユース)が飛び出しては、チャンスをつくったが得点にはつながらず。

 前半6分には右サイドでボールを奪った道渕が自らシュートに持ち込むも、GK正面。直後には翁長の浮き球パスに反応したMF小林大地(早稲田大3年=流通経済大柏高)が右サイドからPA内へ斜めにランニング。ヘディングシュートを打つも、GKに阻まれる。その後は松本が果敢にシュートを狙うが枠外。0-0で前半を折り返した。

 シュート数では相手を上回る中、もどかしい時間が続いたが選手たちに焦りはなかった。「苦しい試合になるのは分かっていた。そのなかでもしっかり勝ちきろうと話していた」と三浦佑介監督(明治大)が明かせば、DF宮地元貴(慶應義塾大3年=東京Vユース)も「向こうも本気で来ているし、そんな簡単に勝てる試合はないと思ってやっていました。自分たちが守れば、前が決めてくれると信じていたので」と言う。

 すると後半開始から約55秒に待望の先制点。右クロスからのゴール前混戦。相手GKが触ったボールがゴール正面の山本の足元へこぼれ、冷静に押し込んだ。先制点のシーンについて、山本は「ファーに流れた右からのクロスをマツが折り返すのを狙っていたんですけど。それが上手くいかなくて。でも次にはいいところへこぼれたので蹴り込むだけでした」と胸を張る。

 その後は後半30分過ぎから、北海道・東北選抜のカウンターで押し込まれるシーンもあったものの、宮地とDF河面旺成(明治大3年=作陽高)のCBを中心に耐え切ると、後半42分には追加点。途中出場のMF古橋匡梧(中央大3年=興國高)の右クロスからゴール正面に走りこんでいた小林が頭で決めた。

 前日の1回戦では後半39分のミスからの失点で、PK戦へもつれ込んでいた関東A。それでも、この日は最後まで集中力を切らすことなく戦い抜き、2-0で試合は終了。決勝行きの切符を勝ち取った。

 決勝へ向けて三浦監督は「選手たちには決勝でこの仲間とサッカーをしようと言ってきた。彼らが最高の90分にしてくれれば」と微笑み、先制点を決めた山本は「このチームでやれるのは残り90分。優勝して終わりたい」と力を込めた。最高の90分にした先に、優勝が待っているはずだ。

 一方、1回戦で全日本を撃破した北海道・東北選抜だったが、快進撃は続かなかった。キャプテンマークを巻いたMF山田満夫(仙台大2年=松本山雅FC)は「押される中でどれだけできるかと思っていたので、前半のゲーム内容的にはそんなに悪い形ではなく、シュートまで持ち込めている時間もあった。でも後半の早い時間に点を取られて、その後は自分たちのサッカーがなかなかできなかった。最後にはいい形で押し込めたのに、ああいう場面で決めるか決めないかで結果は変わってくると痛感しました」と振り返った。

 前半はしっかりと耐え、相手FW松本の突破をDF川上盛司(仙台大2年=鹿島ユース)が身体を投げ出して止めるシーンもあった。前半9分には左サイドでのパス交換から抜け出たMF鈴木一朗(富士大2年=盛岡中央高)がシュートを放つも、GKに止められる。その後は決定機をつくることはできず。同25分にFW清水光(富士大1年=向上高)が狙ったシュートもGK正面だった。

 前半は耐えていたものの、後半開始直後に痛恨の失点。0-1の後半30分過ぎからは山田のパスを起点に、立て続けに縦への速い攻撃を繰り出し、流れを変えたかに思われたが、ゴールにはつなげることはできず。逆に同42分に2失点目を喫すると、0-2の零封負けとなってしまった。

 山田は流れを掴みかけていた時間帯の2失点目を悔やみ、「流れが来ているときに点を取りきらないと、勝負は決してしまうので。あそこでの失点は響きましたね」と唇を噛んだ。

(取材・文 片岡涼)
●第30回デンソーカップチャレンジ宮崎大会特集

TOP