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先制弾アシストの大宮MFネイツ「FKを蹴る前にムルジャから指示があった」

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[3.5 J1第1ステージ第2節 大宮 2-0 柏 NACK]

 難しい状況を一変させるゴールだった。前半9分、柏レイソルに押し込まれていた大宮アルディージャだったが、MFネイツ・ペチュニクがドリブルを仕掛けるとペナルティーエリア外で倒されて直接FKを獲得する。この直接FKをネイツが自らシュート。ボールをGK中村航輔が弾いたところに詰めていたFWドラガン・ムルジャ押し込み、先制点を挙げた。

 立ち上がり、劣勢だった試合を振り返って、大宮の渋谷洋樹監督は「点が入ったことで安定した」と、そのゴールが大きな意味を持っていたと話す。いち早くルーズボールに反応したムルジャは「(ネイツ・)ペチュニクがシュートをするのが分かりましたが、相手の配置からして枠の中に強いボールを蹴るしかないので、こっちに弾いてくるかもしれないと思っていました。思い通りになったね」と、ニヤリ。だが、ネイツによるとFKの前にちょっとした打ち合わせがあったことを明かした。

「最初は(岩上)祐三か、アキ(家長昭博)が蹴ると思ったのですが、スペースがあったので自分で蹴りました。蹴る前にムルジャ選手から、『蹴るんだったら低くて強いボールをゴールに向かって蹴ってくれ』と、指示されていたんです。ですから、僕が蹴る前から彼は動き出していましたし、それをムルジャ選手が決めてくれました」

 かつてセルビアリーグのレッドスターでともにプレーし、チームを優勝に導いていた2人のコンビネーションが産んだゴールだった。このゴール後、さらにカウンターからムルジャが追加点を決めた大宮は、2-0で開幕2連勝を達成した。

 シーズン開幕前に行われた公式マガジン『VAMOS』の対談で、ムルジャから「今シーズンは、3つのゴールをアシストしてほしい」と頼まれていたネイツは、「今日のゴールはアシストに数えていいでしょう? あと2つですね」と、白い歯をこぼした。

 友人でもあるムルジャとつくった目標達成に自信を見せるネイツは、チームが掲げている勝ち点48の目標達成も、十分に可能だと考えているようだ。

「2試合で勝ち点6を挙げられたことは嬉しく思います。そもそも大宮が開幕2連勝をしたのはJ1では初めてですし、しかも2試合連続で完封でした。チーム全員が嬉しく思っているけれど、このチームは高いポテンシャルを秘めています。どこまで行けるかはわかりませんが、1試合1試合、集中して戦い続けて、結果を見てみましょう」と、一戦必勝の姿勢を継続することが肝要だと語った。

(取材・文 河合拓)

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