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FW旗手先制!中盤起用のタビナスがハット!日本高校選抜が静岡県ユース選抜を圧倒!

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[3.6 静岡県ヤングサッカーフェスティバル(U-18の部) 日本高校選抜 4-0 静岡県ユース選抜 藤枝総合]

 3月6日、静岡県ヤングサッカーフェスティバルが藤枝総合運動公園サッカー場で開催され、招待チームの日本高校サッカー選抜は地元の高校生を選りすぐられた静岡県ユース選抜と対戦。攻守に圧倒して4-0の大勝を収め、3月下旬に予定されている欧州遠征に向けて確かな手ごたえを得ることとなった。

 高校選抜は先月のネクストジェネレーションマッチから少しメンバーを入れ替えた。後方の陣容はそのままながら、中村健人(東福岡高)と組むボランチにMF尾ノ上幸生(前橋育英高)が先発。左MFにはイサカ・ゼイン(桐光学園高)、左MFだった牧野寛太(履正社高)はトップ下にスライドし、右MFには攻守でハードワークできる矢村健(市立船橋高)が入った。これに1トップの旗手怜央(静岡学園高)を加えた前線4枚が守備からアグレッシブに入ったことで、試合は早々に動き出すこととなった。

「思っていた以上に相手が出てこなかった」と早稲田一男監督(日章学園高)が振り返ったように、慎重に試合へ入ってきた静岡選抜を序盤から高校選抜が押し込む流れとなる。7分には中村のパスから抜け出した旗手がスライディングシュートを決めて早くも先制点。「(中村)健人から出てくるなと思って走り出したら、そのとおりに来た。練習を重ねて、『ここはパスが出てくるな』とか『これは出てこないな』というのが分かってきた」(旗手)という二人の意思疎通が噛み合っての見事なゴールだった。

 その後も高校選抜が試合の主導権を握って押し込み続けるが、静岡選抜GK山ノ井拓己(静岡学園高)の好守もあってスコアは動かない。逆に24分、静岡にも縦パス一本からMF望月陸(清水ユース)が抜け出す決定機が生まれたが、ここはGK脇野敦至(東福岡高)がストップ。「1対1は得意なほうなので」と涼しい顔で振り返った守護神のファインプレーで、静岡逆襲の芽は潰える。このワンプレーを機に静岡も盛り返し始めたが、DF白井達也(市立船橋高)ら守備陣は以降の決定機を許さず。1-0のまま前半を折り返した。

 高校選抜は後半から3枚をチェンジ。CBに星キョーワァン(矢板中央高)、トップ下に鳥海芳樹(桐光学園高)、そして左MFにタビナス・ジェファーソン(桐光学園高)を送り込む。すると本職は左SBのタビナスが、守備負担のないこの位置で目覚ましい働きを見せることになる。

 まずは14分、こぼれ球に反応しての中距離シュート。「(利き足ではない)右足だったので迷ったけれど、振り抜いてみた」という一撃はGK山ノ井の牙城を突き抜けてゴールイン。さらに22分には旗手のパスを受けてのループシュート。「遊び心が出た」というキックからGK頭上を抜いて2点目を奪う。さらに38分には鳥海のパスを受けて「ここまで来たら狙うしかない!」という左足シュートで3点目。見事にハットトリックを完成。守っても交代出場のDF星が絶対的な制空力を示すなど最後までスキを作らず、4-0で終幕。高校選抜の完勝に終わった。

 早稲田監督は「タビナスは完全に予想外」と笑いつつ、「しっかり勝てたことは良かった」と総括。脇野が「自由時間などを含めてコミュニケーションは取れている」と語ったように、オフ・ザ・ピッチを含めて「チーム」としての雰囲気も醸成され、欧州で戦うための準備は整いつつある。選手たちが「どれだけやれるか本当に楽しみ」(旗手)と心待ちにする舞台での高校選抜の躍進に期待したい。

[写真]前半7分、日本高校選抜は旗手が先制ゴール

(取材・文 川端暁彦)

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