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[アンブロGACH1-TR]「自分たちで修正する」テーマやり遂げた四日市中央工がG大阪ユースとドロー

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[3.13 アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ 四日市中央工高 2-2 G大阪ユースA J-GREEN堺]

 フットボールと「ガチ」で向き合うユース年代のプレーヤーたちが、自身とチームの成長を目指す第2回「アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ」大阪大会は13日に、J-GREEN堺で大会2日目を開催。四日市中央工高(三重)とガンバ大阪ユースA(大阪)の一戦はともに2点ずつ奪い、引き分けとなった。

 試合前こそ打倒・G大阪に燃えた四中工イレブンだったが、「いざ始まってみると消極的なプレーが多かった」とMF寺尾憲祐が反省を口にしたように、開始から持ち味が出せず。前半11分には守備の隙を突かれて、先制点を許してしまう。20分にもFW久本侑弥に追加点を許すなど、苦しい展開を強いられたが、思い通りのゲームプランでなかったのはG大阪も同じ。「前半のうちにしっかりと3点目を奪えなかったことが悔やまれる」と宮本恒靖監督が話したように、その後もチャンスを作りながら四中工の息の根を止めることができずに試合を折り返した。

 前半は消極的なプレーから生まれるミスが多かった四中工だったが、ハーフタイムに樋口士郎監督から「自分の気持ちを持って、戦ってこい」と檄を飛ばされたことで、後半は動きが改善。「相手にパスを回させながら、意図的にボールが奪おうと狙っていた」(寺尾)と自陣への縦パスをきっちり封じると、奪ってからは素早く攻撃に切り替え、チャンスを作った。7分には左サイドでパスを受けたFW亀田哲汰がドリブルでゴール前に侵入。GKとの1対1に持ち込み、ゴール右隅を狙ったが、DF中島大雅に防がれ、CKに。それでも、このチャンスをDF東憲也が頭で合わせて1点差に詰めると、15分にはDF鈴木太郎が自陣から右前方に入れたフィードが、MF安達泰雅の下へ。これを受けた安達が、前へ防ぎに出たGKの頭上をループシュートでフワリと射抜き、同点に追いついた。試合終盤に入ると、交代カードを積極的に切ったG大阪に押し込まれる時間が再び増加。試合終了間際には、右サイドを崩され、クロスからフリーのMF山下諒にヘディングシュートを打たれたが、GKが好セーブで凌ぎ、引き分けに持ち込んだ。

 四中工は今年、J1広島へと進んだU-19日本代表候補MF森島司を始め、主力がごっそりと抜け、「今年はマイナスからのスタート」(寺尾)。昨年以上を目指すべく、練習から質と内容に拘り、強化に励んできた。「周りのレベルが高いけど、消極的にならずにチャレンジしよう」(寺尾)と挑んだ今大会はこの試合同様、前半はチャレンジできず苦戦する試合が続いたが、「自分たちで修正する」というもう一つのテーマはきっちりこなし、立て直しに成功。課題と収穫を得ながら、G大阪を引き分けに持ち込めたことは今後に繋がるはずだ。

 一方のG大阪は今大会、「普段、対戦できないチームや高体連のチームの熱い部分を前にして、どう変化するかを見ていた」(宮本監督)とガチで挑んでくる相手と対戦した際に見せる選手の反応をチェックしていたという。この日の2試合はともに後半になると、相手の勢いに飲まれて苦戦。攻撃の質に関しても、「もっとビルドアップの質を上げれば、もっと楽にボールを動かせたと思う。相手陣内で良いサポートと関係性作りができれば、練習でやっている攻撃ができる。その点に関しては、上手く行かなかった」と宮本監督は内容に満足しなかった。

 ただ、「普段とは違うポジションで試す選手が機能したり、選手の組み合わせの面で少し発見があった。チームとしてのオプションが増えたと思う」とも口にしたように、得た収穫も少なくない。この日はGK渡辺健太、DF上岡朋樹、MF食野亮太郎の3選手がJ3開幕を迎えたU-23チームのベンチ入りを果たしたため、不在。彼らがいないことによって、生まれる出場機会を活かして欲しいという想いと共に、「新2年生の選手たちが戦力になるように、できるだけ試合経験を積んでもらいたい」(宮本監督)という意図もあった。この日、DF足立丈英や山下などがハツラツとしたプレーを見せたことも収穫と言えるだろう。ガチな試合だからこそ見えた課題と収穫を“燃料”に更なる成長を図るつもりだ。

[写真]四日市中央工の安達(右)は同点ゴールを決めた

(取材・文 森田将義)

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