beacon

[MOM1724]四日市中央工FW亀田哲汰(1年)_「点取り屋としての素質を持っている」ブレイク期待の新エース候補

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.13 アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ 四日市中央工高 2-2 G大阪ユースA J-GREEN堺]

「感覚的には面白い。大きくて速いし、点取り屋としての素質を持っている」。四日市中央工高の樋口士郎監督がそう評価するのが、FW亀田哲汰(1年)。U-23日本代表FW浅野拓磨ら多くのJリーガーを育てた名伯楽がブレイクを期待する新エース候補が、可能性の片鱗を見せた。

「ガンバは自分たちよりも格上だと思っていたけど、その気持ちに負けないように自分の気持ちを出して、ガンバDFに勝ちたいと思っていた」と気合十分で試合に挑んだ亀田だったが、前半は「前を向く所で前が向けなかった。いつもの自分の良いプレーが全然出せなかった」。それでも、14分には右サイドでボールを持ったFW森翔真からのパスを受けると、ポストプレーから彼のシュートを引き出した。続く16分にはMF安達泰雅からのパスを受けて、PA右からシュートを放つなど、徐々にゴールへの意欲を強めていく。

 ハーフタイムに樋口士郎監督から「自分の気持ちを持って戦ってこい」と背中を押されて迎えた後半は、「前半は消極的なミスが多かったので、前向きにプレーして、相手DF裏を突いていこう」とスペースに飛び出し、ボールを引き出す場面が増加。後半7分には左前方で、ボールを受けると中央に切れ込んでゴール右隅を狙った。惜しくもDFに防がれ、CKとなったが、この好機をDF東憲也が頭で押し込み、ビハインドは1点差に。自身のゴールこそなかったが、「身体能力が高い。足が速いし、良い身体もしている。どんどんドリブルで仕掛けてもらえたら、周りが助かる」とMF寺尾憲祐が口にしたように、持ち味の野性味溢れる仕掛けで以降も攻撃を牽引した。

 ルーキーだった昨年は、入学前からAチーム入りを果たした。高校総体予選でも先輩たちに交じって出場機会を掴んだものの、得点機会を逃したことで出場機会が減少。選手権予選ではスタンドでの応援に回り、「悔しい思いをした」と振り返る。2年目の今年は、「今年のチームは昨年よりは力がないと思うけど、攻撃は自分が引っ張っていきたい。誰にも負けないFWになりたいので、自分を変えようと思っている」とこれまで遠慮もなくし、自らの特長を前面に出したプレーを心がけているという。

「顔が上がらないので後ろが見えない。見えるようになれば、世界が変わる」と樋口監督が課題を指摘するように、まだ粗削りな選手であることは確かだが、この日見せたプレーはポテンシャルの高さを感じさせる物だったことも事実である。ガチな2日間を経験し、本当のエースに化けるか期待したい。

(取材・文 森田将義)

TOP