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主力半数不在の「走る滝川二」が星稜に3発快勝

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[3.13 ジャパンユースリーグ 滝川二高 3-0 星稜高 J-GREEN堺]

 3月も半ばを迎え、高校年代はシーズンの本格始動が間近に迫っている。新1年生が入学する4月から本格的なスタートになるが、すでに各地域で新3年生を中心に新人戦が繰り広げられており、親善大会も盛況を迎えている。新チーム始動の時期と言えば、強豪が集うジャパンユースサッカーリーグは、見逃せない。非公式大会ながら、関東、中部、北信越、関西、中国、四国と幅広い地域からクラブ、高校の44チームが参加。1月から4月にかけて行われ、10月に上位チームによる優勝決定戦が行われる大規模な物となっている。

 3月13日には、大阪のJ-GREEN堺で兵庫の名門・滝川二高と昨年度の高校選手権で4年連続の全国ベスト4という偉業を果たした石川の星稜高が対戦。試合当日、学校のグラウンドで朝5時半にタイム走を5周走ってから試合会場へ向かったという滝川二が、3-0で星稜を下した。滝川二は、現在イングランド・プレミアリーグで首位を走るレスターで活躍する日本代表FW岡崎慎司の母校としても知られる強豪校。昨季も地元・兵庫で行われた高校総体で全国8強と存在感を示した。しかし、チームは夏以降に失速。プリンスリーグ関西では9位に沈み、今季は兵庫県リーグに降格となった。出直しのシーズンとなる。

 この日は、エース候補のMF持井響太や海外遠征に出ている国体の代表候補が不在で主力5名以上を欠き、新2年生も多く先発した陣容だったが、試合ではゴールと相手ボールを縦に鋭く狙うサッカーで序盤の劣勢からペースをばん回。前半31分、右CKのこぼれ球を左ウイングバックの浦元快斗が右足ボレーでたたき込んで先制すると、後半11分にはキレのある動きを見せていたFW福嶋一輝が左サイドでドリブルキープからラストパスを送ってMF辻本竜がゴール。さらに後半18分にも途中出場のMF井上颯人が得点意欲をむき出しに左サイドを豪快に破って3点目を挙げた。前日は東邦高に逆転負け。新3年生は情けないと松岡徹監督から言われていただけに、先制点を挙げた浦元は「昨日負けて、しっかり戦わないといけないと思った。先制の場面は、こぼれ球に相手より先にボールに触れて、ボールが前に出ていたので無理矢理行こうと思った。今日は新3年生が少なかったけど、僕たちでチームを引っ張れたから勝てたのかなと思う」と手ごたえを話した。

 下級生もレギュラー争いに名乗りを挙げる活躍を見せた。2点目、3点目は新2年生の活躍が大きかった。今井悠樹主将が試合中に発した「ポジション、取るぞ!」という掛け声に応じるかのように躍動した。ドリブラーの辻本は「今日は、個人としてまず守備を頑張ろうと思った。チームが勝つために守備でも貢献したい。ただ、前半はシュートを打てなかったので、後半は前目の位置を取ったら、うまくゴールを取れた」と持ち味だけでなく、課題克服のアピールにも成功した。

 主力不在に加え、連戦と当日朝の走りによる疲労という厳しさがありながら、強敵を撃破したことは自信となる。昨季就任した松岡監督は「今日は、よく頑張る子を連れて来た。来てない子の方が技術はあるけど、元気よくやるのが、滝二らしさ。学校で合宿を行っていて、しんどい中でできたのは良かった。運動量で頑張って、相手が縦に入って来るところを前向きにしっかりと狙えた。うちの場合は、そういう子が最終的には力になる。ボールを持てる子がいないので、速いサッカーになってしまったけど、レスターの大先輩も頑張っているしね」と、タフさの象徴とも言うべきOBの岡崎を例に挙げ、戦えるチームへと成長を見せた選手の姿を称えた。主力不在の間に競争力を高め、巻き返しのシーズンにする。全国大会での躍進が期待されるが、まずは主将の今井が「目標は、5冠。新人戦、高校総体、近畿大会、県リーグ、選手権」と明言した兵庫、近畿の制覇を目指す。

[写真]前半31分、滝川二は浦元の右足ボレーで先制

(取材・文 平野貴也)

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