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[サニックス杯]選手権でブレイクした國學院久我山の名手、MF名倉主将「上手い選手じゃなくて怖い選手に」

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[3.17 サニックス杯国際ユース大会GL第1節 國學院久我山高 2-1 大宮ユース グローバルアリーナ]

 1月の全国高校選手権で躍進し、準優勝した國學院久我山高の華麗なサッカーの中心となったのが、MF名倉巧(2年)だった。技術レベルと判断力の高さは入学当初から高く評価されていたが、この選手権で大ブレイク。もちろん、各ポジションにスキル高い選手たちが並んだチームメートたちの支えがあったことは間違いないが、全国トップレベルの相手と戦ってもボールを失わず、絶妙なポジショニングと鋭いターンから決定的なラストパスを何本も通すなど「久我山旋風」の中心となった。

 その活躍を評価されて日本高校選抜候補合宿メンバーに選出。だが、選考合宿では力を発揮することができず、欧州遠征メンバーには選ばれなかった。この悔しさが名倉の成長へのエネルギーになっている。「凄くレベルの高いところに入れてもらって、自分はほぼ何もできなかった。悔しい思いとか色々な発見とかがある。ああいう選抜の中ではどれだけ自分を出していくかが大事。もっと自分の実力を上げていかないといけない。久我山でやっているプレーだけでなくて、もっと周りを活かしたり、ドリブルで個人で突破できるくらいの実力をつけないと選抜には選ばれない」

 この日はプレミアリーグ勢の大宮ユースと対戦。東京都1部リーグの國學院久我山に対し、2カテゴリー上の相手との戦いだったが、名倉はトップ下の位置で躍動した。前半は思うような活躍ができなかったというが、後半はドリブルで相手のキーマン・MF山田陸主将のマークを外してスルーパスを繰り出すなど存在感あるプレーを見せて逆転勝ちに貢献。「個人的には前半何もできなくてすぐボールを取られたりしていた。そこは上手く立て直せたので良かった」

 高校生活ラストイヤーとなる今年は自身に明確なノルマを課している。「今はまだ点を取れる選手ではないので、もっと貪欲にゴール狙って行って自分がゴールを決めてチームを引っ張って行ったり、『上手い選手じゃなくて怖い選手に』。今年1年、そういう選手になっていきたい。結果という部分でゴールを取ったり、アシストできる選手にならないと上に行けない」。チームの目標である全国制覇達成、自身としてもプロのステージに駆け上がるために、久我山の名手は相手にとって怖い選手になる。

(取材・文 吉田太郎)

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