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[サニックス杯]U-17日本代表がU-17北京選抜を8発圧倒、一方で「許せない」ミス、反省点も

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[3.18 サニックス杯国際ユース大会GL第3節 U-17日本代表 8-1 U-17北京選抜 グローバルアリーナ]

 サニックス杯国際ユースサッカー大会2016は18日、グループリーグ2日目を行い、U-17日本代表はU-17北京選抜に8-1で大勝。グループリーグ3連勝で1位突破を決めた。U-17日本代表は19日の準々決勝で九州国際大学付高(福岡)と対戦する。

 日本が北京選抜を圧倒した。前日の2試合を無失点で2連勝と好スタートを切っていた日本は4-4-2システム。GKは青木心(JFAアカデミー福島U15)で4バックは右SB菅原由勢(名古屋U15)、CB生駒仁(鹿児島城西高)、CB藤松航矢(鳥栖U-18)、左SB杉山弾斗(市立船橋高)が並んだ。ダブルボランチはゲームキャプテンの齊藤未月(湘南ユース)と西山大雅(横浜FMユース)のコンビで、右MF堀研太(横浜FMユース)、左MF田中陸(柏U-18)。2トップには安藤瑞季(長崎総合科学大附高)と宮代大聖(川崎F U-15)が配置された。

 日本は前半3分、杉山の縦パスに反応した宮代がコンタクトの強さを示し、身体をぶつけたDFの前方へ抜けだすと、そのまま左足で先制ゴールを奪う。さらに6分には左ショートコーナーから齊藤のクロスボールを生駒が頭でゴールへ突き刺す。だが、その後は北京選抜の分厚い守りの前にPAを攻略することができない時間が続いた。22分には宮代が個人技でDFを剥がしてそのラストパスを安藤が右足で打ち抜き、28分にはPAへ入れた齊藤のパスを田中が絶妙なコントロール。そのまま縦に仕掛けて左足シュートを打ち込んだが、いずれもわずかに枠を外してしまう。

 3点目を奪って相手の士気を下げることができなかった日本に対し、北京選抜は34分、FWタオ・チャンロンがPAで左サイドからの折り返しを受けると齊藤に倒されてPKを獲得。だが、タオの右足PKをGK青木が左へ跳んでストップする。守護神の好守で相手を乗せなかった日本は、後半に大量6得点挙げた。田中は「前半、なかなか貪欲にゴールを狙えていなくて、ハーフタイムにもっと貪欲にゴール目指して行こうとみんなで話して、貪欲にゴールを目指していけた」。

 後半、宮代と菅原に代えてFW中村駿太(柏U-18)と右SB石原広教(湘南ユース)を投入した日本は7分、左サイドを切れ込んだ田中の折り返しに中村が飛び込み、最後はファーサイドへ流れたボールを安藤がゴールへねじ込んだ。さらに12分には右サイドを連係よく駆け上がった石原がDFを振り切り、ラストパス。これを堀が繋ぎ、最後は田中が右足でゴールを破る。「初戦はバックをやっていたんですけど、今の試合では前のポジションをやらせてもらったので個人的に1点取れたことは大きい」と田中。中盤のポジションでもアピールに成功した田中に代えてFW久保建英(FC東京U-15むさし)を投入した日本は15分にも中央の西山が左の堀へはたき、堀が豪快な左足シュートで5点目を奪った。

 そして20分には西山をMF中島元彦(C大阪U-18)へスイッチ。その日本は22分、中村とのコンビで左サイドを抜けだした久保の左足シュートがDFに当たり、ゴールラインを越える。30分には久保が自ら獲得したPKを左足で豪快に決めて7-0とした。だが、ここで緩んでしまったか、隙を見せた日本は32分、右サイドを抜けだしたタオに決められて痛恨の失点。直後にもミスパスから決定機をつけられてしまう。これには森山佳郎監督も「最後の5分間で失点したシーンと2本あったので。許せないミス、やってはいけないミスだったと思います」と厳しく指摘。1試合ごとに連係が高まっている印象のU-17日本代表は35分にも久保のアシストから抜けだした中村がGKとの1対1を制して8点目を決めたが、イレブンは不用意な失点を反省し、気を引き締め直していた。

 森山監督は試合後、選手たちに対し、個々のレベルアップと同時に結果を求めていくことを改めて明言。準々決勝を戦う九国大付をはじめ、高校チームとの対戦が続く決勝トーナメントへの戦いはより、一つのチャンス、得点の重みが増すことを伝えていた。そして「質とかこちらで上回れる部分で上回っていかないといけないし、同じ土俵で戦うんだったら戦う姿勢、切り替えのスピードとか連動性でも負けてはいけない」。過去にサニックス杯に出場した年代別日本代表は国際試合で勝利しても、打倒代表チームに燃える高校チームに苦杯を喫するなど優勝することができていない。それだけに田中は「簡単な試合はない。負けたら優勝狙えなくなってしまうので一戦一戦大事にやっていきたい」。快勝にも緩むことなく、代表チームのプライドを持って戦い、目の前の試合で白星を勝ち取る。

[写真]後半35分、U-17日本代表は中村が8点目のゴールを決める

(取材・文 吉田太郎)

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