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[MOM1725]広島皆実MF藤井敦仁(2年)_カカの役割担う皆実注目の攻撃手

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.19 中国高校新人大会1回戦 広島皆実高 6-0 大社高 広島皆実高G]

 本人は濡れたピッチでのミスや思い通りに行かなかった点を反省していたが、同時に爆発的な攻撃力も発揮した。広島皆実高のMF藤井敦仁(2年)は下級生時から名門校の主力を担ってきたアタッカー。前半18分に左サイドの崩しで2点目のゴールを演出すると、28分には「あのプレーは納得できます」という動きで3点目をもたらす。カウンターからの鋭い突破でDFを鮮やかに振り切ると、一気に前進。そして左足で出したスルーパスでFW片岡永典(2年)のゴールをアシストした。

 そして後半17分には、左サイドを突破したMF安原修平(2年)からのラストパスを受けてGKの逆を突く右足シュート。チーム4点目を決めると、34分にはFW赤川誠(2年)の左クロスに身体をいっぱいに伸ばしてダイナミックなヘディングシュートを打ち込む。触るのがやっとかと思われたボールを思い切り叩きつけた一撃はバウンドしてゴールへ。身体能力の高さも見せつけた一撃でこの日2点目を決めた。

 この日指揮を執った仲元洋平部長は「まだまだミスする場面がある」と前置きしながらも「入った時は自分で行くのが得意だったんですけど、周りを使えるようになってきた」と藤井の成長を認める。本人も得意のドリブルに加えて、人工芝グラウンドを持つ広島皆実で足元の技術が高まったと感じている。だが、1月の全国高校選手権ではドリブルは通用したものの、得点を奪うことができなかった。そしてチームは準優勝校の國學院久我山高に0-1で敗戦。「攻撃として何もできなかったですし、自分としても課題が見つかった。久我山が決勝まで行ってあそこで勝っておけばという気持ちが凄くありました。全国でドリブルとか通用したけれど、久我山の選手は球際強くてパス回しもレベルが違ったので、チームとしてのパス回しとか個人としてのフィジカルも鍛えていかないといけない」。課題を感じたものを突き詰めて全国でチームを勝たせる選手になる。

 チームから求められているのは、ブラジル代表で10番も背負った名手、MFカカの役割だ。「パス、ドリブルとかもっと自分のいいところ活かして。スタッフに言われているのはミランが強かった時のフォーメーションを意識してと言われている。シェフチェンコとインザーギ、カカの前の3枚の中で自分はカカのポジションなんですけど、ビデオを見て意識しています。ドリブルとか上手いし、パスとかシュート。味方を活かせるし、自分も活かせることもしているので自分もしたい。いろいろなところに顔を出しますし、ずっとボールに関わっていける人になっていきたい」。伝統的に堅守を武器とする皆実。それだけに「決定力とかを上げていければ均衡した試合でも勝ちにつなげられる」。皆実にとってのカカとなってチームを勝利へ導く。

(取材・文 吉田太郎)

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