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筑波大MF鈴木徳真は覚悟のビッグマウス、「活躍しているのは、お前たちだけじゃない」

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 来るべき日に備え、努力を続ける若き精鋭たち。4年後の2020年に待ち構える東京五輪のピッチに立つ自分をイメージし、あるべき姿に近づくため、ひたすらにボールを追う選手たちがいる。

 東京五輪への出場資格は1997年1月1日以降の生まれ。この“東京五輪世代”注目の4選手として、アディダス×ゲキサカでは筑波大のU-19日本代表候補MF鈴木徳真(1年=前橋育英高)、流通経済大柏高FW中村翼(2年)、青森山田高MF高橋壱晟(2年)、横浜F・マリノスジュニアユースのU-16日本代表候補FW棚橋尭士をピックアップした。学年や置かれた環境は違えど、それぞれが理想を追う覚悟を胸に、確固たる目標へ向けて、まい進している。

 東京五輪へ向けて、全ての選手に門は開かれている今、その先頭集団にいる鈴木徳真に大学1年目を終えての現在地、そして描く未来について語ってもらった。

―筑波大でのルーキーイヤーは、左足首捻挫の影響で約1か月ほど出遅れると、出場機会に恵まれず、苦しいシーズンになったのかと思います。大学1年目を振り返って。
「悔しかった一年間でした。何が悔しかったかというと、まず怪我からシーズンが始まって、同期のみんなが活躍していたので。自分はいつ治るのかとか、復帰してどういう活躍ができるかなとずっと不安でした」

「常に頭の中ではサッカーのことを考えるときがあるので、活躍している期間の学校生活は楽しいんですけど、活躍できていないときは、学校生活で楽しく話していても、ふとサッカーのことが蘇って、あぁ……って落ち込んだりもしていましたね」

―サッカー人生で初めて壁にぶつかる経験だったのでは?
「中学のときも、スランプというか上手くいかない時期はあったので。それに似ているのかなとは思ったのですが。色々と考えて、照らし合わせて、今までの経験とはちょっと違うなと思って。何が違うんだろうと自分なりに考えました」

「そうしたら、今の自分には感謝の気持ちというのが無いなと。結果を残したことによって、個人が評価されるのはありますけど。その結果も仲間がいてこそのものなんだと、改めて気がつきました。筑波大に来て、怪我でサッカーができないなかでチームを応援したり、色々なサポートもして、我慢もして。出ている人たちの笑顔を見て、嬉しいけれど、本当に悔しくもなって。最初は仲間が活躍しているのがすごく嫌だったんですけど、仲間が励ましてくれたからこそ、頑張れた自分がいたので。だからこそ、周りへの感謝をしっかりと持つという自分の気持ちの変化は、今年1年間で怪我をしたことも含めて、いい経験になりました」

―試合から遠ざかる時期を乗り越え、後期リーグのラスト5試合は先発フル出場。なかでも最終節・東洋大戦は昇格のかかる一戦でもあり、かける思いは並々ならぬものがあったのでは?
「東洋大戦では先発できて。試合前には4年生からも声をかけてもらい、応援席からもたくさん声が飛んできたんです。あの時は入場から泣きそうになってしまって……。開幕戦の第1節は怪我で出られなかったけれど、最終節の昇格が関わっているところに自分が出られるという状況で。しかも4年生も含めたみんなが俺が出ているのを応援してくれて、本当に泣きそうで試合前からうるうるしていました」

「試合が始まる前にチームの応援歌みたいのを歌うんですけど。歌っているだけで本当に涙が垂れそうだったので、慌てて上を向いて。まぶたに水をちょっとつけて、目をごしごしこすって“泣いてないですよ”って顔をしていましたからね(笑)」

―高校選手権決勝での気持ちの昂ぶりとは、また種類が違う感情だったのでしょうか?
「そうですね。選手権のときは闘争心のみ、野生的な感じだったんですけど。前橋育英のときも仲間がいてこそ、というのはすごく思っていましたけど、大学に来てからは一段と仲間の力というのを感じるようになったので」

「怪我をしている間に色々な先輩や仲間が頑張ってくれて、昇格が届く位置で最終節を迎えられて、自分がそこに立つことができて、悔しさが少し晴れた思いもありましたし。怪我から復帰した1年目を振り返ると、始まりの時よりも今の方が“ここにいれるというのが幸せだな”と感じています」

―最終節・東洋大戦(1-1)で昇格が決まった瞬間というのは、どのような思いでしたか?
「試合が終わって、すぐに泣いて、先輩に抱きついていました。史哉さん(早川)とか力哉さん(岩脇)のところに行って。ありがとうございますって言ったり。出られなかった4年生に抱きついて。本当に嬉しかったですね。試合が終わった瞬間に先輩と抱き合ったときは、先輩に“胸を貸してくれ”みたいにして泣いていて。あのときは涙が止まらなくて、本当に無理でした(笑)」

―筑波大に来たのは間違いではなかったと強く感じたのでは?
「筑波に来て良かったです。でもまだ第一段階の“良かった”なので。自分が目指しているものは、プロで活躍するということ。今は(日本のボランチの)最前線では遠藤航選手(浦和)とかが走っていますけど。そこに自分がどれだけ追いつけて、かつ世界と比較してどれだけ出来るかというのは、今の自分の中にもあります」

「今の時点での自分の実力がまだ足りないことはわかっています。でも、誰にもにも負けたくないし、ライバルをを見返したいし、自分も上に行きたいから。まだ安心できない気持ちが自分の中にはありますね」

―U-18代表ではメンバーの多くが今春からJリーガーとなるため、同代表はユースと大学生による編成から、今後はJリーガーと大学生による編成に変わります。大学生という立場で代表活動に臨むことになりますが?
「正直な話、周りがプロという状況で焦りというのは毎日あります。Jリーグの試合を見て、今日は俺の同期の奴が試合に出て点を取って活躍して。同期の奴が試合に出て……。そんな話を聞いて、自分のその日の練習と比較して、“やばいだろ”と感じますし。自分が4年後にプロになれるのかというところから始まり、プロで活躍できるかと考えて、自分自身へ追い込みをかけてしまうので。そういう焦りはあります」

「でもなぜか余裕なときは余裕で。自分で絶対にこっち(大学進学)であっていると思えるときもあるんです。自分は本当に大学を選んで良かったと思いたいので。絶対に“人”なので、自分の選択がいいと思うときと、いいのかなと不安に思うときがあるのとは思うんです。そこは自分の気持ちと上手く付き合いながらやっていってます。」

―U-19日本代表への生き残りをかけるなか、自身の強みはどのように捉えていますか?
「身体能力も特別高いわけではないですし、比較的身長も小さいので、身体が強いかといわれたら全然だめだと思います。それでも何が出来るかなと思ったときに、ボールを奪える力とゲームのリズムを把握する能力は強みだと思っています」

「守備の面でゲームを見ながら、自分の中で予測もしてプレーするというのは、自分の持ち味だと思うし。守備だけでなく、オフェンスでは突出したストロングポイントはまだないですけど、状況判断では他の人と違ったものの見方ができると自分の中では思っています。“今はこういう状況だから、こういうリズムなんだよ”というのを、自分の頭の中で考えてやっているので。状況判断をしっかり出来ているときは、プレーの質もいいときなので。状況判断と守備でのボールの奪取。それは今の自分の強みだなとは感じています」

―U-19代表候補に名を連ねながらも、昨年末の大学1、2年生を対象にした全日本大学選抜の選考会ではあえなく落選。関東大学選抜Aに回ることになりました。
「めちゃくちゃ悔しかったですね。平然としている自分はいますけど、心の中では……。改めて俺はまだそこまでの選手なんだということを突きつけられました。代表に行っているから大学の選抜には選ばれるとか、そんな世界ではないと強く感じました」

「高校までは肩書きというか、こいつは代表に選ばれているから信用して選抜にも選べるというのがあったと思うんですけど。大学まで来たら、本当に実力勝負だと思うので。今回、落としてもらったのは、嬉しいというのはおかしいですけど、自分がどこのレベルにいるのか気づける機会になったので。すごく悔しい気持ちがありますし、言い訳したくもなるけれど、それが自分の実力だから、全部受け止めています」

―全日本大学選抜はここから2017年のユニバーシアード競技大会を目指すことになります。ユニバーシアード代表入りも目標の一つと捉えているのかと思いますが?
「逆にここからユニバや五輪などの世界大会へ照準を合わせて、選手として自分自身をどれだけつくっていけるかというのが、自分がこれからそこ(全日本大学選抜)も含めた各代表へ入っていく望みになると捉えています」

―大学2年目のシーズンは関東1部と舞台が変わります。
「今年は結果を出そうと、ビックマウスくらいでもいいかなと思っているんです。常に自分に負荷をかけて発信していかないと。あえて自分を追い込んで、そのなかでプレッシャーに勝っていかないといけないと思っているので」

「凌磨(渡邊=インゴルシュタットU23)とかも活躍していますし、周りの知り合いのJリーガーも活躍しているので。ここで一回、大学生の自分も活躍して“活躍しているのはお前たちだけじゃない、俺もなんだ”というのをドンと押し出していきたいです」

「関東1部で勝利して、全国大会の総理大臣杯とインカレ(全日本大学選手権)で何よりもチームのためにどれだけ頑張れるか。そこで自分が点を決めて、スルーパスも出して、走って。そういう自分の働きがチームが結果を残すという要因の一つでありたいとは思っているので。そこは徹底していきたいです」

―開幕戦は、初戦から得点を狙っていきますか?
「狙いたいですね。出足がすごく大切なので。開幕戦はお客さんもたくさん入ると思うので、1試合目からどんどん狙ってはいきたいです。初戦でも1ゴールは決めたいですし、これが筑波大だというのを示したいです」

―そんな中、選ばれたプレーヤーしか履くことができない、シューレース(靴紐)のない完全一体型サッカースパイク「ACE 16+ PURECONTROL FG/AG」を初めて手にしての感触は?*全世界の中でTOP25クラブのACE着用プレーヤーしか履くことができないスパイク(日本人プレーヤーで言うとブンデスリーガ・シャルケ所属の内田篤人選手のみ)
「革新的ですよね、靴紐がないって。まず驚きました。それから思っていたよりも、実際に持ってみると軽いです。ニット素材だから重いのかなと思っていましたけど。邪魔な部分がなくて、全部が平面なのも面白いです、ゴツゴツしてないからどこにボールが当たっても、同じようなインパクトがありそうだなと。どういうボールが蹴れるのか期待が膨らみますし、未知ですね」

―今まで履いていた革のスパイクとは違い、今回はニット素材になります。
「自分はフィットしないと一番気になるんです。レザーのスパイクは足なじみがいい反面、どうしても少し伸びてきていて、革が余るようなときがあるので、二重ソックスにして、フィットさせています。革のいいところはフィットするけど、やっぱり伸びてしまうので。だけどニット素材だったら、ずっとフィットしてくれるじゃないですか。足首もずっと柔らかくフィットしたままだし。期待しています」

―足首が柔らかく稼動域が広い選手にとっては、より長所を活かすことができそうですね。
「前にナイトロチャージを履いていたときは、履きやすかったんですけど、少し足首の横が堅くて動かないようになっていたので、少し蹴りづらいときがあったんです。でも、これだと足首が自由に動いてくれそうですよね」

―日本で120足の限定販売だったスパイクということで、希少価値が高い一足です。
「ちょっとプレッシャーを感じます。自分が履いていいのかなとは感じますし、上には上がいるから、ネガティブじゃないですけど、俺が履いていいのかなと思っちゃいます。でも、そういう価値に値する選手になっていかないといけないとも思います」

―紐のないスパイクを履いていたら、大学リーグのピッチでも目立ちそうですね。
「目立ちますよね! 一人だけ紐がないスパイクを履いていたら。“何、あのスパイク?”って。芝と同じ緑ですけど、それより明るい色味で目立ちますし。これを履いたら、鼻高々になりますけど、スパイクがいいだけで、俺がいいわけじゃないですから、そこは肝に銘じて取り組みたいと思います(笑)」

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(取材・文 片岡涼)

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