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[MOM1728]瀬戸内MF浅野嵩人(2年)_延長戦突入直前の決勝アシスト、試合を決め、チームを変える存在に

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.20 中国高校新人大会準決勝 瀬戸内高 1-0 広島観音高 呉総合スポーツセンター陸上競技場]

「試合を決めるプレーができる選手でないといけない」と誓うMFが、決勝点をアシストしてチームを勝利へと導いた。瀬戸内高のMF浅野嵩人主将(2年)は後半アディショナルタイム、左サイドのエンドライン手前でボールを受けると、「ペナの中に入ったら、なるべくスピード落とさずプレーすることを意識している」というように、一気にDFを振りきってゴールラインギリギリの位置からラストパス。これをFW伊能玲生が決めて劇的な決勝点となった。

「一番は点を取ること。本当は自分で決めたかった」という浅野だが、それでも「ああいう形で点が入ってよかった」と納得の表情。特に後半はトップ下の位置でボールを受ける回数を増やし、そのパス、キープ力で存在感を放っていたが、ここぞという場面での突破で攻撃にアクセントを加えて、無得点のまま延長戦を迎える直前だったチームにゴールをもたらした。

 目標としているのは、いるだけでもチームにいい影響を与えられる選手だ。「チームをまとめないといけない。キャプテンとしてチームの悪い時はプレーでも、声でも、いるだけで流れを変えられる選手になりたい」と口にする。この日の瀬戸内は前半、運動量に乏しく、厚みのある攻撃ができたのは後半の終盤になってから。その中でこの日は流れを変えるプレーをすることができたが、チームは地元・広島で開催される全国高校総体での上位進出など高い目標を掲げているだけに、それを成し遂げるためにチーム力をもっともっと高めていかなければならないと考えている。「今年は広島でインターハイがある。広島だけでなく中国地方で抜けていく存在にならないと。インターハイで結果を残すためには、中国地方で抜けていく存在にならないといけないと選手たちの中で話しているので、そう考えるとまだまだ1対1とか改善していかないといけない」

 東京都のS.T. FOOTBALL CLUB出身。勧めがあったこともあり、関東から多くの仲間たちとともに広島の強豪へ進学した。広島のサッカーに良い部分がある一方で、関東と比べて物足りないと感じる部分もあったという。「激しさがないですね。自分が相手している相手に絶対に負けないとかいう気持ちが。基本的にサッカーは自分の目の前の相手負けなければ点取られることもない。自分がやってやるという気持ちをもっと出していい」。それは入学当初から仲間たちに求めてきた部分。憧れの選手にイニエスタを挙げるリーダーは自身で試合を決めることを目指すと同時に、より戦うチームに変えて勝つチームにする。

(取材・文 吉田太郎)

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