beacon

関西選抜で存在感、デンチャレではベスト11選出の近畿大MF國分「もっと名を上げたい」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 関西学生選抜で次なるブレイクを予感させるのが近畿大MF國分将(2年=札幌U-18)だ。今年に入ってからの関西ステップアップリーグ(SUL)では、Jクラブ相手に2戦連続ゴールを決めると、3月上旬に行われたデンソーカップチャレンジ宮崎大会では、大会ベストイレブンにも選出。着実にキャリアを重ねている。

 疲労があるなかでの宮崎入りとなったようだが、デンチャレでは全3試合に先発出場。初戦の関東選抜B戦では1-1に追いつくゴールを決め、1-1(PK9-8)の勝利へ貢献。続く準決勝の九州選抜戦でも鋭い動き出しで仕掛け続けた。最終日の関東選抜Aとの決勝では、得点こそなかったものの國分のシュートのこぼれが2点目につながり、チームは3-1で勝利した。

 デンチャレを振り返る國分は「初戦は足もつって苦しかったですが、そんななかで点が取れて波に乗れてよかった」と笑顔。大会ベストイレブン選出となったが、「自分が選ばれるとは思わなかった。監督やチームが自分のことを全試合に出場させてくれたから受賞できたと思う。感謝しています」と謙虚に話した。

 デンチャレ開幕前の2月17日に行われた関西SULの神戸戦では、ハーフタイムから出場し、後半9分に同点弾を記録。21日のG大阪戦では、初めて先発起用されると、前半35分に1-1の同点弾を挙げた。徐々に上へのステップを踏んできたMFは「あの時期(SULの始まったとき)はスタメンではなく、ポジション争いもあるなかで、アピールできるのはやはり得点だと思ってました」と振り返る。

「前の選手なので得点が大事だと思って、積極的にゴール前へ走ろうとするなかでボールが来たり、チャンスが来て、そこでしっかり決められたのがアピールになってよかったです」

 巡ってきたチャンスを確実にものにしたことがデンチャレで全3試合に先発するのにつながった。そして関西選抜の大会制覇に貢献したことで大会ベストイレブンを受賞。2016年は上々のスタートを切ることになったのだ。

 それでも國分は満足することはない。「大学で成長した姿を札幌の人に見せられたらとは思います。でも自分的にまだまだ全然活躍できていないので、今年でもっと名を上げたい」と表情を引き締める。

 コンサドーレ札幌U-18育ちのMFは、近畿大でのルーキーイヤーに2部A優勝を経験し、自身1部初挑戦となった今季は1部10位で終えた。「1部はレベルが高いなと戸惑うこともあり、チーム的にも戦えない部分があって、そのなかで適応していくのが難しかった」と振り返る。大学3年生として迎える新シーズンは「去年を経験している選手が多いので、しっかり戦っていこうと思います」と強く誓った。

 関西学生リーグでは2013シーズンから3年連続でFW呉屋大翔(現・G大阪)が得点王に君臨。呉屋が大学サッカーを去って迎える2016シーズンは、関西の実力者たち皆がその座を狙っている。もちろん國分もその一人。「得点王はもちろん狙っています」と言い、「関西リーグはもちろんチームで優勝、上の順位を目指していきたい。インカレや総理大臣杯も出たいと思ってます」と力を込めた。

 関西学生選抜で結果を残し、デンチャレでも活躍をみせたが、残念ながら今回の全日本大学選抜入りはならなかった。それでも新大学3年生の國分は、今後の活躍次第では2017年のユニバーシアード競技大会を戦う同チーム入りの可能性は大いにある。

「こういう色々な大会でどんどんアピールしていって、全日本大学選抜にも入って、ユニバにも出て。プロからも注目されていきたい」と力強く先を見据えた。可能性は無限大。関西からのし上がっていくと強く誓うMF。まずは2016シーズンの関西学生リーグで結果を残す。

(取材・文 片岡涼)
●第30回デンソーカップチャレンジ宮崎大会特集
●2016年関西ステップアップリーグ特集

TOP