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初先発で決勝ゴールの大宮FW江坂「早い段階でゴールが欲しかった」

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[3.23 ナビスコ杯グループA第1節 大宮1-0名古屋 NACK]

 身長は175センチと、決して大柄なわけではない。だが、大宮アルディージャ加入後初ゴールとなった前半37分のヘディングシュートの場面では、頭一つ抜け出ていた。

 試合後、この試合で唯一のゴールを決めたFW江坂任は、「ヘディングは昔から得意です。昨年、ザスパで挙げたゴールの3分の1くらいも頭でした。大宮戦で決めたゴールも、今日みたいなヘディングでしたからね」と、白い歯をこぼした。

 名古屋の小倉隆史監督は、「アウト・オブ・プレーの甘い所が出た」と振り返ったが、大宮の選手たちは相手に生じた一瞬の隙を逃さなかった。この場面、外に出たボールをMF横谷繁が素早くスローインして試合を再開させると、左サイドに回っていたMF渡部大輔がゴール前にクロスを上げる。これに江坂がヘッドで合わせるとクロスバーの下を叩き、ゴールに決まった。

「スローインからのリスタートで、うまいこと最終ラインの裏が取れました。そこから滞空時間の長い、良いボールを上げてくれて、SBと競り合いました。(渡部の)あの状態なら、ファーに来るかなと思いましたし、ファーで(競り合いに)勝つ自信もありました。(シュートは)ポストに当たりましたが、押し込むことができてよかったです」

 値千金の決勝ゴールを決めた江坂は、守備面でも貢献していた。最前線でファーストDFとなり、パスコースを限定しただけでなく、パスを出されてからも2度追い、3度追いを見せて、簡単に攻撃を組み立てさせなかった。リーグ戦で2連敗しているチームには、そこが必要だと感じていたと話す。

「今の大宮にないのは、前からのプレッシャーだと思いました。前でプレッシャーを掛けられない分、リーグ戦ではズルズル引いて崩されていると試合を見ながら感じていたので。そこは2個、3個追って、プレッシャーを掛けてミスを誘えればなというのはありました」

 草津から大宮に加入した江坂だったが、開幕前のキャンプ中に負傷し、開幕戦は間に合わなかった。「焦りはあった」だけに、「早い段階でゴールが欲しかったので、こういうチャンスをもらえたときに決められてよかったです」と、初先発で初ゴールを挙げられたことに安堵しつつ、課題も口にした。

「センターFWとして、ボールを収めるところはまずまずできたと思います。あとはスルーパスをもらう部分は、もっともっとすり合わせないといけませんし、もっともっと自分の動きを見てもらわないといけないと思いました」。初先発で初ゴールを挙げ、この試合のMOMにも選ばれた江坂だが、まだまだ満足などしていない。

(取材・文 河合拓)

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