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現役時代から愛煙家で有名…肺がんで逝ったクライフ氏に悼む声

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 元オランダ代表のヨハン・クライフ氏が24日に亡くなった。68歳だった。名選手だったが、現役時代から愛煙家として有名で、晩年は肺がんを患い、闘病生活を送っていた。

 クライフ氏は1970年代、世界を席巻したオランダ代表の中心選手として活躍。流動的なポジショニング、そして全員守備、全員攻撃を取り入れた「トータルフットボール」と呼ばれた最先端のサッカーの体現者だった。

 「フライング・ダッチマン(空飛ぶオランダ人)」の異名を持ち、「クライフターン」と呼ばれる軸足の後ろにボールを通して切り返す技は、当時のサッカー少年の憧れでもあった。現役引退は1978年、31歳の時だった。

 引退後も指導者として成功。バルセロナでは育成システムから構築に成功し、現代に至るまでの礎を築いた。

 ただ、現役時代からヘビースモーカーであったことは有名で、監督になってからはベンチで煙草を吹かすシーンも何度も見られた。バルセロナの監督を務めていた1991年2月に心筋梗塞で倒れるなど、健康面に害が及んでいた。そして昨年10月に肺がんで闘病中にあることを公表していた。

 24日に公式サイトで死去したことが発表になると、世界中で一斉に報じられた。BBCなども特集記事で報じるなど、サッカー界の損失に大きな衝撃が走っている。

 母国オランダでは、「沈黙の時間」として衝撃が伝えられている。オランダサッカー協会の公式サイトによると、同国代表のダニー・ブリント監督は「昼食中に話を聞いた。沈黙が生まれ、みんな彼を思い出していた」と悲しみを語った。

 バルセロナは公式サイトで「心からのお悔やみを分かち合いたく思います。どうぞ、安らかに。ありがとう、ヨハン」とコメントを発表。ライバルクラブのレアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長も「フットボールの伝説、神秘が逝ってしまった。サッカー界にとってとても悲しい日になった。哀悼の意を表します」と声明を出した。

 同世代のライバルとしてしのぎを削った元西ドイツ代表のフランツ・ベッケンバウアー氏は「ヨハンが亡くなったことはショックだ。親友であり、兄弟のような存在でもあった」と公式アカウントでツイートし、別れを惜しんだ。

 そして現バルセロナのエースFWリオネル・メッシはフェイスブックで「伝説がまた一人、この世を去ってしまった」と悲しみを綴り、バルセロナスクールの授賞式に出席した同僚のMFアンドレス・イニエスタは「すべての人にとってとても悲しい日になりました。彼がこのクラブに与えた影響はこの先も忘れることはないでしょう」と話している。

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