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[UAチャレンジカップ]「強い個をつくって組織に」準優勝・明秀日立は選手、指導者も成長する大会に

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[3.25 アンダーアーマーチャレンジカップ決勝 秋田商高 1-1(PK5-4)明秀日立高 富士緑の休暇村]

 明秀日立高(茨城)はパワープレーに出た後半終了間際の32分に右ロングスローから最後はSB深見凛(1年)が同点ゴール。PK戦の末に敗れて準優勝に終わり、MF大野拓朗(2年)は「試合の入りが勢い良く行けなくて。(準決勝の)彦南のときより入りとか良くなくかった。もっと攻撃を合わせて行けたらいい」と反省を口にしていたが、チームにとっては収穫ある大会となった。エースのMF小磯克文(2年)や大野、MF前川翔梧(2年)という主軸がケガ明けでまだ万全でなかったが、20人の選手全員の力で決勝へ進出。“僅差”の準優勝で大会を終えた。

 萬場努監督は「今回はスタッフも含めてレベルアップしていかなければいけないと思っている中で監督役を小野(宗周コーチ)の方にやってもらって。選手も成長しなければいけないし、我々指導者も現状に満足せずに成長していこうということで3人(萬場監督、小野コーチ、大塚義典コーチ)で話し合いながら、選手も色々な組み合わせでやれた。最後勝ちたかったですけど、今が勝ちたい時期ではないので大きな組織づくりとしては収穫が大きかった」と説明。昨年は全国高校総体に出場し、冬の全国高校選手権では初出場ながら1勝を挙げた。だが、現状に満足することなく新たに刺激を加えながら選手だけなく、指導者たちも成長する大会となった。

 選手ではこれまでBチームだったFW石川皐己(2年)がAチームでも健闘。韓国の強豪・彦南高戦では先制ゴールを決めた。頑張っている選手がチャンスを与えられ、競争の中でチームが成長。だが、昨年試合に絡んでいた選手が少なかったこともあり、指揮官はまだまだ最上級生に余裕がないと感じている。彼らがより自覚を持ち、今大会で存在感を発揮したMF橋本光希(1年)や左SB岩谷拓汰(1年)といった下級生の力をより引き出すことも期待している。

 4月にはリーグ戦や関東大会予選が始まる。萬場監督は「試合が続いていくんですけど競争意識をもっていく。個人の力を伸ばしながら、競争ができるのがこの時期。それを分かった上でどれくらいみんなが張り合えるか。強い個をつくって組織にしていきたい」。60人もの新入生が入部するというように注目度も高まっている茨城北部の新興勢力。強い個たちをつくり上げて昨年よりもさらに上のステージへと突き進む。

(取材・文 吉田太郎)
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