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[MOM1749]広島観音FW神車凱海(新3年)_「入らない時はGKも抜け」“観音のスアレス”が先制点!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.31 ミズノカップIN香川決勝 香川西高 0-2 広島観音高 香川県総合運動公園サッカー・ラグビー場]

 “観音のスアレス”が先制点を決めた。広島観音高は前半27分、MF吉形淳之介(新3年)からのループパスで抜けだしたFW神車凱海(新3年)が先制点。前半13分にはGKと1対1になりながらもシュートをGKに当ててしまっていたが、今回はGKを右側からかわすと右足シュートを狭いニアサイドへ決めて見せた。「1回目のチャンスはGK出てきて、股を抜こうとしたんですけどバウンド合わずに当ててしまった。で、2回目のチャンスが来たんですけど、常に『入らない時はGKも抜け』と言われている。それを実行したまでです」。教えを忠実に守って決めたファインゴール。これで試合の流れを広島観音に傾けた。

 先制点を決めたエースストライカーはこの日、存在感を示し続けた。後半にはやや淡白になってしまっていた部分もあったが、それでもタイミング良く中央、サイドへ抜け出し、そこで強さと巧さも発揮する。「マークの外し方だったり、トップで起点作って最大のチャンスをつくる。自分、裏抜けるのが得意なので、そこで勝負する」というFWは他校のスタッフもそのプレーを絶賛するほど、広島観音の攻撃を牽引していた。

 神車が「あれが完成形。目標にしている」と語るのがバルセロナFWルイス・スアレスだ。抜け出しやドリブルからでもゴールを奪うことのできる自分の特長を磨き、ゴール、アシストも量産する選手になる。昨年は総体、選手権ともに広島県予選決勝で敗れた。それをピッチ上で経験した神車は特に決める部分にこだわってきた。今大会は出場した4試合で計4発。「自分が出ていて総体も選手権も自分にビッグチャンスが来たんですけど決めれなくて、その力をこの冬、春にかけてつけていくということで段々決定力もついてきて、それがミズノカップでひとつ結果になったのかなと思います」

 予選リーグでは2度の累積を受け、準決勝でチームは「総体や選手権でもあること」と神車に“出場停止”の処分を科した。目先の勝利よりも先を見据えた判断であり、神車も納得し、不要な警告を反省。「松本香二先生から言われたのは準決勝とかで昔レッド受けて自分は決勝出れなくて悔しかったと」。その思いを自分がしないために受け入れたFWは、迷惑をかけた分を、決勝戦の鮮やかな先制ゴールで取り戻して見せた。

 今後へ向けては「個人としては惜しいというプレーをなくして。結構シュートを打ったりしているんですけど惜しいで終わっているので、ちゃんと決めれる選手になって、というのを目標にしている」。去年、決勝で敗れ続けた悔しさは決して忘れない。“観音のスアレス”がミズノカップIN香川で見せた活躍のようにゴールを決めて、チームを広島制覇、日本一へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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