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9日にプレミアリーグWEST開幕!昨季全国2冠・東福岡は勝ち点積み重ねて新たな「伝統」を築くか

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 高校年代最高峰のリーグ戦、「高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグ」が4月9日に開幕する。プレミアリーグWESTには昨年優勝のガンバ大阪ユース(大阪)をはじめ、名古屋グランパスU18(愛知)、京都サンガF.C.U-18(京都)、セレッソ大阪U-18(大阪)、ヴィッセル神戸U-18(兵庫)、神戸弘陵高(兵庫)、サンフレッチェ広島ユース(広島)、東福岡高(福岡)、大津高(熊本)、大分トリニータU-18(大分)の10チームが参戦。12月まで行われるホーム&アウェー方式のリーグ戦で優勝とチャンピオンシップ(12月17日)出場権を争う。

 昨年、G大阪ユースはジュニアユース時代に全国3冠を成し遂げていたMF市丸瑞希やMF高木彰人(ともに現G大阪、U-19日本代表候補)らを中心にタイトル奪取。プレミアリーグチャンピオンシップを経験したMF食野亮太郎とDF杉山天真、またGK渡辺健太らが残るものの、新高校3年生のU-19日本代表MF堂安律もトップチームへ昇格するなどメンバーは大きく入れ替わった。昨年ほど抜きん出た戦力を有している訳ではないが、それでも連覇への士気は高い。2月の会見で「チームとして戦うものを築きあげていきたい」と語った元日本代表主将の新指揮官・宮本恒靖監督の下、どのようなサッカーを展開するのかにも注目が集まる。

 タフに戦うチームスタイルに加えてU-19日本代表候補GK大迫敬介ら成長著しい新2年生たちの存在も頼もしい広島ユース、MF野田樹主将を中心とした崩しに注目の神戸U-18、CB森下怜哉やMF斧澤隼輝がすでにU-23チームの一員としてJ3デビューを果たしているC大阪U-18の3チームはタイトル奪還を懸けたシーズン。また昨年のJユースカップ準優勝チームである名古屋U18、昨年プレミア昇格1年目で3位に食い込んだ大分U-18、そしてU-19日本代表候補GK若原智哉ら擁する京都U-18は虎視眈々と初優勝を狙う。そして高体連の昇格組、大津と神戸弘陵はJユース勢相手にどこまで食い下がり、勝ち点を重ねていくか。
 
 高体連のチームで注目はやはり、東福岡だ。昨年は総体、選手権と全国2冠。プレミアリーグWESTでも過去最高タイの2位に食い込んだ。新チームは日本高校選抜のMF藤川虎太朗やMF鍬先祐弥らを中心に九州高校新人大会、そして市立船橋高や桐光学園高、京都橘高などと覇権を争った船橋招待大会(4月1日~3日)も優勝。サニックス杯国際ユース大会でもU-17ウズベキスタン代表を破って決勝進出を果たすなど、まだシーズン前ながらも好成績を残し続けている。それでもチームに緩みはない。森重潤也監督から練習のたびに「プレミアは甘くない」と指摘されるという選手たちは過信することなく、「自分たちはチャレンジャー」(CB児玉慎太郎主将)と貪欲に成長を目指し、プレミア開幕へ準備してきた。

 昨年とまた違うメンバーで、スタイルも全く同じ訳ではない。昨年と比べると強みもあれば、弱みもある。その中でチームは昨年からコンマ数パーセントでも、力を積み上げていくことを目指してきた。周囲から昨年以上の成績「プレミア制覇」を期待される中、プレミアリーグの第1目標は残留。そして一つずつ目標をクリアして「最終的には3冠」(児玉)という大目標に挑戦する。昨年から主力の注目SB小田逸稀はタイトルを獲得することの難しさを十分に理解しながらも「普通の成績じゃ嫌。歴史に名を刻みたい。2冠は去年やってしまったので、それ以上」と高い目標を掲げる。

 伝統校・東福岡がプレミアリーグの舞台でも新たな一歩を刻むか。森重監督は「伝統」について「(今までと)同じことをやっていたら伝統にならない。新たなプラスアルファをやっていかないといけない。勝ち続けてこその伝統じゃないかな」と語っていた。昨年、全国高校総体2連覇、そして17年ぶりとなる全国高校選手権も成し遂げた名門が今年、チームとしての力をさらに積み上げ、新たな伝統を築くか注目だ。

(取材・文 吉田太郎)

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