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[MOM1753]東福岡MF藤川虎太朗(3年)_厳しい自己評価下す「ヒガシの10番」、勝負どころで決勝点

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.9 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 神戸U-18 1-3 東福岡高 長居]

 決めるべき選手が決めた。東福岡高は1-1の後半36分、右MF濱田照平のラストパスに反応した日本高校選抜の10番MF藤川虎太朗(3年)が右足で決勝点。クリーンヒットした一撃ではなく、ややダフリ気味のシュートだったが、しっかりとコースをついたボールはゴール左隅へ吸い込まれた。

 4-5-1システムのシャドーの位置で先発した藤川は「ゲームをつくるという10番の役割もあったのでそこに徹しながらいつ点が取れるか考えていた」という。前半は2列目から飛び出すシーンが少なく、ゲームメークの部分もよりボールに関わっていたのは運動量豊富なMF高江麗央や中盤の底の位置から正確なボールを配球していたMF鍬先祐弥の方。それでも終盤、相手の足が止まりつつあることを確認した10番は勝負どころで巧みにスペースを突いて濱田からのラストパスを引き出し、決勝点を決めて見せた。

 藤川は昨年、全国高校総体の準決勝(対立正大淞南高)でハットトリックを達成。全国高校選手権ではケガで出遅れながらも先発復帰した準決勝の星稜高戦で技ありの先制点を決めると、決勝でもゴールを決めた。2年生でもエース級のプレーをしてチームを勝利へ導くことをノルマとしていたMFは、その通りに高いレベルの結果を残してチームの全国2冠に貢献した。

 今年は伝統校の10番。対戦相手からのマークはより激しさを増しているが、「東福岡の10番ですし、エースストライカーと言われているんでマーク激しくなると思うんですけど、そのマークを掻い潜っていかないと、これから行くステージで通用しないと思うのでこの1年間は強い激しいマークをどう抜けるかということを大事にしていきたいい」という男はプレミアリーグ開幕戦で球際で泥臭くボールを奪い取ったり、ハードワークする部分を貫きながら、見事に結果も残してみせた。

 本人は「どのチームからも怖い選手と言われるように」という目標を掲げている。十分にその姿に近づいている印象だが、本人は「まだ20~30点くらい」と厳しい。観察力を高めて、より良い形でボールを受ける必要性があると感じている。また「今の状況では自分がパス出して終わっていることが多い。ちょっと頑固に自分が出してもう一回もらうということができれば、自分としても楽しくサッカーできるんじゃないかと思います」。「ヒガシの10番」が今年、重圧の中で1年間結果を残し続けて理想としている姿に近づく。

(取材・文 吉田太郎)
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