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[プレミアリーグEAST]攻守にスキ無し、市立船橋が昇格組の新潟U-18に4-0快勝

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[4.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 市立船橋高 4-0 新潟U-18 味スタ西]

 4月9日、味の素スタジアム西競技場を舞台に高円宮杯プレミアリーグEASTの開幕戦が行われた。優勝候補の一角を担うと目される市立船橋高(千葉)はこの初戦で今季から新規参入のアルビレックス新潟U-18(新潟)の挑戦を受けたが、4-0の大差で完勝。初優勝へ向けての第一歩を踏み出した。

 立ち上がりからペースを握ったのは市立船橋。「決して悪い入り方ではなかった」と入江徹監督が振り返ったように、新潟側のパフォーマンスが悪かったわけではない。ただ、市船の可変システムを使った戦術的なパスワークを止められず、「ボールに対してプレスに行けず、自由を与えてしまった」(入江監督)。市立船橋は攻守が切り替わってからの守備も万全。ポゼッション型のチームにありがちなスキも作らない。「あの二人は本当に良かった。相手の2トップを2CBで完璧に抑えてくれた」と朝岡隆蔵監督が微笑んだように、日本高校選抜の杉岡大暉原輝綺の両ストッパーも鉄壁の守りを披露して寄せ付けず、前半はチャンスを作らせないどころかシュートすら打たせなかった。

 市立船橋は春休みの各大会で押し込みながらも肝心のゴールを奪えずに苦しむこともあったが、この日はその心配も不要だった。33分、左MF野本幸太が「ずっと練習してきた形」と胸を張るドリブルからの左足シュートを突き刺すと、36分にも再び野本。今度は右足でカットインからのミドルシュートを叩き込んで瞬く間に2点のリードを生み出した。さらに45分にはU-17日本代表DF杉山弾斗の左足FKがそのまま決まり、3-0。大量点差で前半終了を迎えた。

 後半、「一つずつ返していこう」と選手に声を掛けた入江監督は、体調不良で先発起用を見送っていた期待の1年生MF本間至恩を投入して攻勢を試みる。「ファーストディフェンスをしっかり行かせてラインを押し上げる」という基本をもう一度徹底し、内容面で前半半より持ち直した。

 だが、市立船橋はセーフティーリードとおごることなく冷静に試合を進める。41分には交代出場のFW有田朱里が鮮烈なボレーシュートを突き刺し、4-0。Jクラブ注目のDF杉岡を中心とする伝統の堅守は最後まで揺らぐことなく、開幕を完封勝利で飾った。「しっかりとバランス良く戦ってくれた」と指揮官が振り返ったとおり、シュート数18対3という数字どおりの完勝だった。

 一方、完敗となった新潟の選手たちはさすがに暗い表情を隠せなかった。プリンスリーグ北信越であれば、負け試合であっても主導権を握られたまま試合が終わるということはなかった。これは「本当にいままで経験できないものを経験させてもらった」と入江監督が振り返ったとおり。「自分たちのサッカーができなかった」と語る選手もいたが、自分たちのサッカーをさせてもらえないのがプレミアリーグという舞台でもある。「(この経験を)自分を含めて、選手がどう表現していくかだと思う」と語った入江監督は「じっくり守る時間帯や、我慢するところが必要なのだとハッキリ分かりました」ともコメント。苦い経験を次節以降に生かせるのなら、この大敗は無駄にはならない。

(取材・文 川端暁彦)
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